Googleの検索結果
みなさんは、Googleの検索結果における表示の順位はどのような形で決まるかご存知だろうか?
この業界にあまり詳しくない人達は、支払うお金によって検索順位が決まると思っている人も多い。GoogleかSEO業者かは曖昧だが、金を払えば検索上位に表示出来ると考えている人が一般的にはほとんどのようだ。
しかし、Googleは金銭の受け取りによって検索順位を変えることは無いと断言している。
もしGoogleの検索結果が金銭の支払う額によって変わるなら、ユーザーにとっては非常に不便になるだろう。キーワードによっては、ユーザーの求めている事とは全く関係の無いページばかりになる可能性がある。
大阪にいる人が「東京」と検索すれば、東京への行き方や引越し先を探しているかもしれない。しかし、もし順位がお金で買えたら、企業名や商品名といった本来自分がほしい情報以外のもので埋まってしまう可能性が高い。そうなれば、自然とユーザーはGoogleを使わなくなってしまう。
結局、検索順位を金銭ではない公平な基準で決める事が利用者を増やし、検索結果に広告を表示するGoogleのためにもなるのだ。
お金を払わなくとも検索結果で上位に表示されるなら、ほとんどが上位表示を望むだろう。しかし、無意識にブログを書いていただけでは、余程の才能が無い限り、それなりに検索されるキーワードで上位に表示される事はない。
SEO対策
本を書いた人も、ユーザーに本を見つけやすくする工夫は必要だろう。著者が有名であれば特に拘ることはないかもしれないが、ジャンルを決めたり、本の題名を分かり易くしたりする事は本を探しているユーザーにとっても利益になる。
こうしたユーザーに見つけやすくする仕組みというものが、Googleを含めた検索エンジンにもあって、これがSEO対策と呼ばれるものである。
SEO対策に関しては、Googleも一定のケースで推奨している。Googleと敵対していると勘違いしている人も多いが、実はGoogleも、必要ならば専門家(SEO業者)にまかせてほしいとの指針を出している。
ただ、検索エンジンの上位表示を決める評価を偽装し、不正な方法で検索結果を上位表示させる事はガイドライン違反としている。これをGoogleはブラックハットSEOと呼んでいる。
ガイドラインに違反し、ペナルティを受けるとGoogleの検索結果に表示されなくなるのだ。
リピーターによって多くのファンを抱えている人気ブロガーや芸能人などであれば、Googleからの訪問者に頼らなくとも多くの訪問者を呼び込むことが出来ると思う。しかし、通常のサイトならば、検索エンジンから消えるという事は、集客において致命的なダメージになる事は間違いない。
検索結果に上位表示させるには?
検索結果の順位を決める要素はいくつかある。ページの順位を決める要素としては、科学論文の評価方式を採用している。なぜなら、この方式は人類に普遍の価値をもたらしている歴史上の長い実績があるからだ。
科学論文の評価方式
科学論文は一般的に引用(他の実験等でその論文を参考にすること)回数が多くなると画期的な発見とされノーベル賞の基準ともされる。それと同様にサイトも他のサイトで引用されると評価が上がり、上位表示されやすくなる。
この辺は検索エンジンを攻略するの記事に詳しく記載しているので、そちらを参考に。
ブラックハットSEO
こうした引用は被リンクと呼ばれ、被リンク数やリンク元の質によって、上位表示されるかどうかが決まる。ただ、被リンク数は無料ブログ等を大量に作成してそこから自分でリンクを張ることで偽装できるし、リンク元の評価も元々評価の高かった中古ドメインを購入することで質を高める事が出来てしまっている。
この辺の偽装、要はブラックハットに関して更に詳しくはブラックハットの手法とこれからの検索エンジン最適化を暴露しようの記事を参考に。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い
自分のSEOにおける手法は以前から断言している通りホワイトハットSEOだと考えているのだが、このブラックとホワイトの違いは明確ではない。
Googleのウェブマスターにおけるガイドラインによると
ブラックハット SEO
検索エンジンを騙してサイトの掲載順位を引き上げようとする不正な手法は、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反するブラックハットの手法と見なされます。
ホワイトハット SEO
この手法の目的は、掲載順位の引き上げではなくユーザーに重点を置いてサイトを改善することです。
2.5 検索エンジン最適化について学ぶ - ウェブマスター ツール ヘルプより
とあり、共に少々曖昧な表現に留まっている。
ブラックハットにおける議論
Twitterで炎上させられたので140字では収まらない思いをぶつけようと思う
という記事でも述べたように、自分が電子書籍を販売した際、購入者の方々からいくつかの批評をいただいた。その中で前回の牛角氏以上にためになる適切な批評をしてくれたのが、
上記「とのさま」という方のご指摘だった。とのさまは、おそらく兼業アフィリエイター(サラリーマンをしながらのアフィリエイトをしている人)である。
彼が指摘したのはブラックハットとホワイトハットの言葉の定義に関するものである。ご指摘に関しては非常に感謝しております。ありがとうございました!
ホワイトハットとは?
ブラックハットとホワイトハットの言葉の定義に関して、とのさまとのツイッター上のやり取りを引用しながら解説していこうと思う。
とのさまからは
@freelifer1 あと、これは表現の範囲かもしれないですが、自演リンクしつつのギャラクシー型サイト群なんですが、検索結果を操作することを目的としているので、「ブラックハット」という認識です。これをホワイトハウスハットと評するのはちょっと無理あるかなという印象を受けました。
— とのさま@育毛剤おすすめ (@tonosama2000) 2014, 10月 23
といったご指摘を受けた(ホワイトハウスハットはホワイトハットの誤字)。
自分独自の手法で、用語も自分が名づけたものであるが、ギャラクシー型のサイト群運営というものがある。
ギャラクシー型サイト群の運営は、ナチュラルリンク(自然に引用され、張られたリンク)が集まりやすいタイプのサイトを中心に作り、そこを中心として、そこから自演リンクを張るという手法である。
ナチュラルリンクが集まりやすいサイトや詳しい作成方法は付利意雷布亜の電子書籍を参考にして頂くとして、ここで議論のなっているのは、この自演リンクを張る行為がブラックハットではないのか?というものである。
Googleのガイドラインにはこうした自演リンクを規約違反とする記載はないが、それがリンクジュースを送る目的で張られるリンク、つまり、リンク先の評価を偽装する自演リンクであれば、規約違反とされている。
自分のギャラクシー型サイト群の目的は、トラフィックを送ったり(人を流したり)ギャラクシー内で共有する目的以上に、こうしたリンク先の評価を偽装する自演リンクの意味合いも含むものなので、これはブラックハットというご指摘だ。
確かに、文言上そのまま理解すればとのさまの指摘は正しいように思える。しかし、こうしたリンク先の評価の偽装を目的とする自演リンク「全て」が規約違反となると、Googleの検索品質評価ガイドラインと矛盾が生じるのである。
検索品質評価ガイドラインとは
Googleは検索結果の品質を保つために、外部の人間を雇って検索クエリとそのクエリに対して返される検索結果を評価させます。 このときに参照させる資料が「General Guidelines/検索品質評価ガイドライン」です。
この検索品質ガイドラインは極秘情報だが、定期的に流出し一般に広まる(もちろん、Googleが意図的に流している可能性もある)。この検索品質ガイドラインで2014年3月31日からの適用分(流出したガイドラインでもっとも新しいもの)で明確にEATの文字が表記されるようになった。
EATとは
Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)
の頭文字を取ったものになる。
専門性は内部のコンテンツの一貫性や関連サイトからのリンクなど、内外の要因が大きく影響するだろう。信用性と権威性に関して言えば、訪問したユーザーの評価(ソーシャルアクション等)よりも、被リンクを中心とした外部の評価によるところが大きくなる。
検索結果で上位表示されるページは、EATを見た上で、他の要因を反映させたいというGoogleの意向なのである。こうしたガイドラインと差異があれば、外部の技術者(大学教授や研究者など)の意見を加え、そのアルゴリズムを修正して行く事になる。
EATとはもちろん、ドメイン(サイト)毎に評価がなされるが、これらは著者毎になされるべきであるという考え方も根強く、Googleもそれを導入しようと検討している。これをオーサーランクという。
EATの説明において、Googleは「expert(専門家)」という用語を何度も用いており、専門家を評価する仕組みであることを示唆している。
Google Rewrites Quality Rating Guide - What SEOs Need to Know - The SEM Post
要は、検索エンジンに上位表示されるページはどのドメイン(サイト)かというだけでなく、誰が書いたかを反映させようとする物ものだ。
ただ、現状においてはこうしたオーサーランクというのは、ドメインから切り離す事は出来ていない。要は、権威、信頼、専門性のあるサイトとリンクして、著者のオーサーランクというのが評価されているのである。
ここまで話して、ようやく、さっきのブラックハットに関する議論に戻る。もし権威のあるサイトからの自演リンクというのをブラックハットとしてしまった場合、EATの考え、しいては今後取り組むオーサーランクという考えも全てではないが、ブラックハットに含んでしまう事になる。
なぜなら、EATとは、権威のある人(専門家)から紹介されたページこそ外部要因で判断される「信頼性」があるものとされ、高く評価されるべきとの考えも含むからだ。従って、リンク先の評価を偽装する自演リンク全てをブラックハットとはすべきではなく、
▶ 権威の無いサイト
もしくは
▶ 権威を偽装したサイト
からの自演リンクで評価を偽装する場合をブラックハットと考えるべきだろう。
権威がないサイトからの自演リンクで評価を偽装できるケースは、評価の低いサイトから大量のリンクを張る行為等があげられ、権威を偽装したサイトとは評価の高い中古ドメインなどを指すだろう。この辺は上でも紹介した最近のブラックハットの手法とこれからの検索エンジン最適化を暴露しようの記事を参考に。
いずれにしても、この考え方でいけば、ナチュラルリンクにより権威の付いたサイトからの自演リンクであれば、ブラックハットでは無いと考えられる。
それに加えて、オーサーランクの考えからすれば、著者(運営者)が同じサイトであれば、その時点で権威の偽装にはならないだろう。
ただ、これがホワイトハットか?と言われれば、現在のGoogleの定義からだと確証は難しい。なぜなら、Googleによれば、ホワイトハットというのは
掲載順位の引き上げではなくユーザーに重点を置いてサイトを改善することです。
という定義だからだ。
ユーザーに重点を置いてサイトを改善すればホワイトハットとの事だが、SEO自体が掲載順位の引き上げを目的とする以上これを意識せざるを得ないだろう。ユーザー視点というのは客観的な評価でもあるので断言は出来ない。
また、ブラックハットという言葉はGoogleによって定義を狭められている言葉にも思えるのである。
現状Googleが検索エンジンの世界において中心的な役割を果てしている以上やむを得ない点はあるが、言葉の定義について曖昧な点からもこの辺が見えにくくなっていると思う。
以上を考慮すれば、ブラックハットではない手法というのが正しい表現かも知れないが、気持ちとしてはホワイトハットSEOだと思っている。
ツイッター上のとのさまとの議論で述べたかった事は以上である。
ブラックハットSEOは今後もイケる?
わしもブレずにブラック頑張ろう
— さけ茶@コンテンツSEOの巨匠 (@sitotukuruyo) 2014, 10月 28
ブラックハットはGoogleはもちろん、ユーザーにも嫌われる評価の偽装になるが、一企業とそのユーザーの不利益を被るからといってそれがすぐに違法行為であるとは言えない。もちろん、犯罪でもない。強いて言えば、Googleとブラックハッターとの戦いでもあるので、自分は生暖かく見守っている。
外部評価による偽装を用いたブラックハットは、YMYL(Your Money or Your Life)のページほど有効とされている。
YMYLとは
They are pages that can have an impact on your current or future well being (physical, financial, safety, etc.).
現在あるいは将来の幸福や健康的な生活(身体的、経済的、安全性など)に大きな影響を与える可能性があるページです。
と定義され、アフィリエイトで言えば高額なアフィリエイト案件(稼ぎ易い案件というと語弊があるかも)が多い分野である。逆に、エンターテイメント性の高いジャンル、自分のメインブログでもそうだが、こうした分野は経験、要は、コンテンツの量(記事、ページの数)が重要とされ、それによってドメインの評価が高まるケースが多々ある。
もちろん、検索順位は相対評価なので、競争率が高くなると上位表示は難しくなるし、他の要素もある。
ブラックハッターが未だアフィリエイターの中に多いのは、こうした高額なアフィリエイト案件にはブラックハットがコンテンツの充実というホワイトハット寄りの作業よりも断然有効だからである。ただ、Googleはアルゴリズムを変化させることでこうしたブラックハットによるサイトの上位表示自体、もしくは上位表示を維持する事を難しくしており、今後はコストの面でどんどん割に合わなくなってくるだろう。
関連知識や検証・ノウハウを持っていない、これからSEOを実践しサイト運営で収益を上げたいと考えている人は間違いなくコンテンツによる対策を中心としたホワイトハットでの上位表示を目指すべきである。
そして、サイト内部ではピラピッド型のリンクが有効であるが、複数のサイトを運営する場合は、ピラミッド型のサイト群の運営ではなく、自分の提案するギャラクシー型のサイト群の運営が最も適切だと思う。
Googleは自然言語処理能力を発達させる事により、YMYLのページかどうかだけでなく、ユーザーが求めているより答えに近いページを文脈からも判断出来るようになる。加えて、今後オーサーランクが導入されるであろう事を考えても、権威のある太陽を中心としたギャラクシー型のホワイトハットによりサイト運営を行うのが、将来を踏まえても理想的な形なのだ。
ホワイトハットに関してはホワイトハットSEOの本質の記事も参考に。
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