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踊るバイエイターの敗者復活戦

アルバイトやアフィリエイトを含めたネット広告からの収入で生計を立てる人に踊りながら(楽しみながら)生き抜くための知恵を紹介するブログ。多くのWebマーケターに読まれています。不定期19時頃更新。

ブルーカラーの人材不足問題を解決するのは「やりがい」よりもライフスタイルの提案だと思う

アルバイト

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週刊ジョージア

 

みなさんは「週刊ジョージア」をご存じだろうか?

職業インタビューから、漫画、グラビアなどを見る事が出来るウェブマガジンである。2014年1月27日に配信が開始され、最新版はすでに第64号。今年3月にはウェブマガジンからスピンアウトし、雑誌版の週刊ジョージアも発売された。

 

基本的に無料で見る事が出来るが、全て読むには専用のスマートフォン・アプリを通さなければならない。また、ジョージア(コーヒー缶)をカメラでスキャンしなければ閲覧不可なグラビアもあって、商品購入とメディアを結び付けている。

実際の商品を起点にアプリへ誘い込み、トラフィックを占有する事で広告媒体としての収益もあげているのだ。スマホが得意とするリアルとメディアを結び付けた面白い試みと言えるだろう。

 

ブルーカラー人材の不足と高騰するコスト

ジョージアのCMといえば、俳優・山田孝之を思い浮かべる人も多い。様々な職業に扮し、その仕事の喜びを表現した後にオチを付ける構成となっている。

CMを見ている人は気付いているかもしれないが、こうした山田孝之が扮するのはいわゆるブルーカラーと呼ばれる業界に従事する人々である。

 

ブルーカラーとは、主に作業服着て仕事に従事する現業系や技能系の職種で、肉体労働が主体である者を指している。対義語はホワイトカラーで、ワイシャツの襟が白である事から総合系のデスクワーカーがあげられる。

 

ブルーカラー職は現在の日本において人材不足の問題を抱えている。例え今よりも賃金上昇が進んでも慢性的な人材不足が起こると考えられており、外国からの労働力を強く望む声がこの業界の経営者からは多く聞かれる。

 

ブルーカラー職に人が集まらないのは、若者のホワイトカラー思考が強まっているからだと言われている。失業率よりも問題なのは、こうした人材に偏りが出ている点というのは昨今よく言われている通りである。

就職活動でも学生の多くが望むのはホワイトカラーと呼ばれるような職種で、体を使うような仕事は常に売り手市場となっている。

介護職に外国人の受け入れを試験的に始めたのは記憶に新しいが、この業界は「超」売り手と呼ばれるほど人材不足に悩んでいる。

 

建築業界においては賃金が高騰しているにも関わらず人材が集まっていないのは最近のニュースでもよく聞かれるだろう。

高い給料を払っても人材は集まらず、社員も定着しない。関連業界から外国人労働者の受け入れの声が出るのも当然だ。外国人労働者は通常の給与でも定着率は日本人と比べて非常に高い。

ただ、外国人の受け入れは給与水準の低下だけでなく、日本の若者の職を奪う可能性もある。いくらこうした業界団体と親しい政治家でもこれを強く推し進めれば国民の反発が出るのは必然的なので、慎重にならざるを得ない。

 

現在は非正規雇用、派遣や短期アルバイトで何とか穴を埋めている状態である。ただ、こうした派遣や短期バイトを労働力として利用するためには、給料の数倍とも言われる額を上乗せし人材派遣会社へ支払わなければならない。経営者から見れば、高コストであり未経験の多い彼らを使うのはコストパフォマンスも良いとは言えないだろう。2重苦に悩まされているのだ。

 

ブルーカラーをターゲットにしたコカ・コーラの思惑

ジョージアの販売元はコカ・コーラで、「週刊ジョージア」に関しては大手出版社・角川書店を抱えるKADOKAWAの編集部が製作を行っている。大きな方向性はコカ・コーラが決めて、コンテンツ(雑誌の内容等)の詳細はKADOKAWAへ全て外注しているだろう。

 

営利活動として

週刊ジョージアを収益の点から考えれば、ブルーカラー職への就労希望者を増やすとともに、これら人々を自身のメディアへ囲い込むのに重点を置いてるはずだ。コカ・コーラは方向性としてもこうしたコンテンツをKADOKAWAへ求めているに違いない。

 

缶コーヒーというリアル(物)からネットメディアによる広告収益化の流れはビジネスとして面白いと思う。元々ジョージアという缶コーヒーの購入が生活の一部になっている人もいただろう。

自分もサイト運営においてはリアルからネットへ集客するというのが一番確実性のある方法だと思っていて、その辺は電子書籍にも記載した通りだ。

 

・アプリでファンを囲い込みトラフィックを逃さない

・リアルとネットをリンクさせる

 

昨今のネットメディアで見られる傾向を抑えたビジネスである。これから自身でビジネスを始めたい人も抑えておいて損の無いポイントだろう。

 

異業種からのメディア参入といえば、リクルートが作ったR25というフリーペーパーもある。R25は成功を治め、その後リクルートは人材紹介以外にも様々な関連業種に事業を広げる事が出来た。

 

週刊ジョージアに関しては、ブルーカラー職における人材確保がより困難な世の中になると考えたため企画されたものだろう。今後しばらくはこうした業界の人材が不足する事が予想され、人材紹介料も上がって行くに違いない。

アプリ利用者が当初の計画より延びなくとも、広告媒体としての価値は高まる。コカ・コーラという異業種からの参入がどこまで世間を巻き込む事が出来るかに注目したい。

 

社会活動として

コカ・コーラの望む社会活動としての方向性とはどのようなものだろうか?

コカ・コーラは理念としてサスティナビリティー(未来を、今、幸せにしよう)を掲げている。

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サスティナビリティーTOP: 日本コカ・コーラ株式会社 Coca-Cola Journey

社会活動を通して、様々な日本における問題に取り組もうとしている。

 

山田孝之というブルーカラー職に就く人達が自身を投影しやすい俳優を使い 「世界は誰かの仕事で出来ている」 のコンセプト。こうした職業への「やりがい」を強調する事で、就職希望者を増やしたいと願う業界関係者や政府も喜ぶ社会活動的な要素があると言える。

 

こうしたブルーカラー職ほど、社員にやりがいを与えない会社は多い。人材が容易に集まるホワイトカラーの有名企業でさえ、管理職には仕事のやりがいをいかに部下へと持たせるかを教えている企業もある。にもかかわらず、表面的には魅力があるとは言えないやりがいが本当に必要とされる職ほど、こうした取り組みをサボっているのだ。

 

やりがいを与える取り組みは第三者から見れば、社会的にも有益だろう。人材不足が解消され、仕事を選び過ぎて無職となった人材を少しでも減らしてくれるかもしれない。

 

やりがい搾取

しかし、こうした取り組みを批判したり、馬鹿にする声もある。 ソーシャルという横方向のコミュニティが発達した現代では、大手メディアのによる上から押し付けられる情報発信に過度な疑いをかける人も多い。

 

現代では「やりがい搾取」という言葉も生まれている。

企業風土が、従業員に“やりがい”報酬を意識させて、金銭報酬を抑制する搾取構造になっていること。賃金抑制が常態化したり、無償の長時間労働が奨励されたりすること。働きすぎの問題として、本田由紀が名付けた概念。

やりがい搾取とは - はてなキーワード

 

やりがい搾取に関しては、昔なら多くの人達が受け入れていた部分のデメリットばかりが強調されてしまう。

それに真実を知る事でより辛い道を歩む事もある。ブルーカラー職が嫌で無職生活を意地でも止めない事が、将来本当に彼、彼女の幸せとなるだろうか?

 

ブルーカラーの人材不足を解消するには?

給料を上げたところで人は集まらず、定着率も悪い。やりがいを与えようとしてもどこか冷めた見方、否定的な見方が出てくる。

こうした現代においてブルーカラー人材を集まるにはどうすれば良いか?

 

現代の20、30代における若年労働者はたくさんのお金を稼ぎたいと考えるよりも仕事をなるべくしたくないと考えている。高給でバリバリ働くよりも、低給でのんびりと働きたい人が多いのだ。

 

こうした世間の意向を汲み取ってか政府が主導となって「働かない」環境づくりにも始まっている。

週休3日制の導入を検討。生活コストを下げる事が出来なければ、休日もアルバイトなどする必要が出て来るかもしれないが、政府は生産効率が高まる可能性を指摘している。

生産効率が高まれば、その分休日が増えても給料を減らさずに済むだろう。

 

ただ、労働時間を減らす試みは良いとして、もっとライフスタイルに多様性をもたらす動きが企業ごとにあって良いかと思う。

例えば、2ヶ月働いて1ヶ月休むといったライフスタイル。このようなライフスタイルを企業が推奨し始めたら、自ら好んでこの会社に入ろうと考える人も出て来るはずだ。

 

現在も日雇いや短期アルバイトで生計を立てている人は多い。もちろん、彼らは厚生年金や社会保険といった正規雇用者としての特権を貰えない。保障だけでなく、社会的な信用も少ない事からローンを組むことも出来ない。事故や病気が生じれば、それだけで一生を失うぐらいの命取りになる事もあるだろう。

 

彼らのライフスタイルは様々で、稼ぐ時と遊ぶ時をしっかりと分けている人が多い。お金がある時は趣味へと時間を費やしたり、冒険に近い国内・海外の旅行をしている人もいる。

外こもり」と呼ばる言葉も聞いた事があるはずだ。彼らは数ヶ月働いて、その後の数ヶ月を物価の安い海外でのんびり過ごしたりしている。外こもり実践者は日雇いバイト等の短期バイトをしている人が多い。

 

資産を持たない限り、短期アルバイトや日雇いと呼ばれる形式で稼ぐ事が、こうした彼らの望むライフスタイルを送る唯一の手段なのである。

 

短期アルバイトや日雇いで生活している人。

こういう人間を企業は人材派遣会社を通さずに確保して行くべきだろう。彼らも好き好んで毎回違う現場へ向かうわけではない。経営者も高いお金を人材派遣会社へ払い、未経験者を現場に入れる事を出来ればしたくないはずだ。

 

無職の若者にも長期間の休みが保障される仕事は魅力的だし、ホワイトカラー職を希望したが職に就けなかった人にはライフスタイルの提案をして仕事以外の魅力をプレゼンテーションしてあげると良いだろう。

メディアにおいても仕事の魅力を紹介しやりがいを与えるより、ライフスタイルを紹介する方が多くの消費に読者を結び付ける事が出来る。

 

企業は仕事を含めたライフスタイルを提案し、メディアはその紹介をする。

偏った人材の供給により不幸になる人々を救うには、これしか無いと個人的には思うのである。

 

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