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踊るバイエイターの敗者復活戦

アルバイトやアフィリエイトを含めたネット広告からの収入で生計を立てる人に踊りながら(楽しみながら)生き抜くための知恵を紹介するブログ。多くのWebマーケターに読まれています。不定期19時頃更新。

BNK48(AKB48のタイ・バンコクにおける姉妹グループ)はタイで成功するのか?

タイ

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バンコクの大通り

 

目次

 

先日AKB48単独コンサートにおいて、「AKB48」の海外版姉妹グループを新たに3グループ作る事が発表された。

▶ 台湾・台北「TPE48」

▶ タイ・バンコク「BNK48」

▶ フィリピン・マニラ「MNL48」

の3つである。

2011年9月にはインドネシア・ジャカルタで「JKT48」、2012年4月には中国・上海で「SNH48」が発足し、すでに活動している。

 

まず、ビジネスの観点で言えば、これらAKB48の海外版姉妹グループは失敗のリスクが非常に少なく、収益性の高い無難なビジネスになり得る。よって、やらない方が機会損失だろう。特にタイ・バンコクにおける環境は良いと言える。

まずはこの点から説明していきたい。

 

BNK48がスタートダッシュに成功するであろう理由

スポンサー獲得の容易さ

アイドルに限らずグループでも個人でも、スポンサーの支持を集めない限りメディアに露出する事は難しい。日本でもそうだが、海外でもスポンサーの意向で出演者が変わるというのは良くある事だ。あくまでもプロデューサーの上にスポンサーがいる。

タイでは、自動車メーカーをはじめ、日系企業の影響力が経済界で強い。加えて、地元タイ企業も「日本」をブランドのイメージとして使うほど、日本に対する印象は良い。

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タイのOISHI(美味しい)ブランドのお茶。茶畑など日本をイメージしている。

 

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リラックマと現地セブンイレブンのコラボ。

 

ドラえもんはタイでも大きく普及した人気のキャラクターだがそれ以外でもクレヨンしんちゃんやハローキティ、最近ではLINEのキャラクターも人気だ。タイで人気の日系キャラクターは上げればキリがない。

 

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ケイト・トウキョウの広告。化粧品ブランドは日本人のモデルをそのまま使うことも多い。資生堂もTOKYO GINZA(東京・銀座)と表記し、日本のイメージを押し出している。

 

去年2015年7月から1部が始まり、タイのドラマではもっとも人気があったのも日本を舞台としたドラマだった。名前は「The Rising Sun(昇る太陽)」

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設定が日本なので、名前はもちろん、浴衣や桜など日本っぽさも満載。演じているのはもちろんタイ人の俳優達だ。

 

タイにおいては、日系アイドルのイメージを借りたい企業がたくさんあると言える。JKT48もデビューしてすぐにポカリスエットのCMに起用され大きな露出を実現した(インドネシアにおいてポカリスエットは大塚製薬の現地法人・アメルタインダ大塚が展開している)。

日本政府系のイベントでもプロモーションに使いやすいし、BNK48もすぐにCMは決まるだろう。

 

バンコクにおける日系アイドル・ファンの存在

今年に入ってからバンコクの有名ショッピングモール・MBKセンター7階でアニメイトのタイ1号店がオープンした。

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いわゆる「オタク」の下地がある国なので、こういったオタクが日系アイドルを興味本位で見に来る事も期待できるだろう。海外ではアニメや漫画のファンになり、日本のアイドルにも流れるケースは多々ある。

 

日本のイメージを使いたいスポンサーによるバックアップだけでなく、元々日系アイドルに興味を持つ人達がいるというポテンシャルによって、初期段階ビジネスの観点で上手くいくのはほぼ間違いない。

 

BNK48はタイで人気「大衆」アイドルになれるのか?

とは言え、日系アイドルに興味を持つ層というのはタイでは少数派である。タイで人気のアイドルを見ると男女共にセクシーさを求める傾向がある。日系アイドルの「見せ方」は、一般タイ人の好みとは遠いものが多い。

 

タイ人が好むのは、男性は長身でガッチリとした肉体、女性はモデル体型のスラっとした美人系の人達だ。

こうした要素は韓流スターに当てはまる事が多く、日本のアイドルとは比べ物にならないぐらい韓国アイドルの人気が高い。MNL48が発足するフィリピン・マニラにおいても韓国のアイドルは人気であり、フィリピンでもこうした性的な魅力を強調したプロモーションで成功している。

AOA「ミニ・スカート」。韓国の女性アイドルグループのPVはセクシーなものが多い。

 

日系アイドルにおいて、こうした要素を持つグループは殆どいないだろう。

確かに日本人女性自体の人気はあるが、彼らは日本人女性をセックスシンボルとして崇めているからである。みんなAVをインターネットで見ているのだ。

一般タイ人男性でAKB48を知っている人はほとんどいない。多数派の彼らが興味を持っているのはより性的な魅力のあるセクシーなタイ人モデルだったり、韓国の女性アイドルグループである。

 

どういった切り口でメンバーを集めてプロモーションを行うかはわからないが、一般タイ人男性をターゲットにするなら日本以上にセクシーさを求められるのは間違いない。日本に多い「可愛さ」よりも「セクシーさ」を強調したグループを作る必要があるだろう。

過度なセクシーをウリにせず、少数派である「可愛い」でタイの大衆アイドルになれるかどうかはプロモーション次第と言える。ただ、この部分を変えるのに大きなコストがかかるのは言うまでもない。

 

タイにおけるアイドル事業のリスク

メンバーのスキャンダル

タイに限らずアイドルはイメージが重要である。初期で多くのスポンサーを獲得したとしても、イメージが崩れるようなスキャンダルが発生すれば一巻の終わりだ。

広告の契約期間中に問題を起こせば、多額の損害賠償金の支払いをしなければならなくなる。CMや広告の張替え等の費用を事務所側に負担させる契約で話を進める事も珍しい事ではない。

1つの出来事でイメージが崩れれば、グループが解散に追い込まれる事も十分ありえる。過去にもスキャンダルが理由で人気が下降し、解散に繋がったアイドルは多いだろう。

 

あまり大きく報道されていないが、AKB48の海外版姉妹グループSNH48(上海)のメンバーが自身の体に火をつけて全身約80%の大やけどの重傷を負ったこと先日ネット上で話題となった。

友人と喧嘩して興奮状態となり、近くにあったライターで自分自身に火をつけたという事だ。

事件としては衝撃的なものではあるが、人気を失うほどのダメージには幸いにもならなかった。

 

アイドルの場合、ダメージが大きいスキャンダルは男性絡みのものだ。

昔からこうした男性問題を避けるため、男性への興味が薄かったり、同性愛者(女性が好きな女性)の傾向が見られる女の子のみをオークションで選ぶ事務所もあった。男性と親密になることはアイドルでは厳禁だが、女性同士、メンバー同士で極端に仲が良い事はファンに取ってマイナスどころかプラスに働く事も多いだろう。

 

政治家も、こういったスキャンダルを避けるため「身体検査」が行われるのは有名な話だ。BNK48においても、大きなお金が動き、国や企業のイメージとなりうる以上、しっかりとした身体検査を行う必要があるだろう。

 

「わいせつ」行為に対する不明瞭な基準

タイは性風俗の規制が緩いことで有名であるが、公共の場でのわいせつ行為には厳しい。

以前はこうした問題も政治的な方法(金銭や権力)で解決が可能だったが、近年はこれをコントロールする事も難しくなった。なぜなら、今では大手メディアよりもFacebook等の個人のソーシャルが非常に大きな力を持つようになったからだ。ソーシャルで話題になった事で警察や軍を動かし、問題が表面化した事例も多々ある。

 

タイの保養地・ホアヒンで日本人男性グループが全裸になった事件も元々ソーシャルで1人の女性が写真とともに不快と投稿した事がきっかけだった。

(写真を投稿した彼女は中国人が全裸になり、食欲が無くなったとツイートしている(上記タイ語もそのように書かれている)。中国人観光客に対するイメージはタイでも良くないため、タイのネットでも、はじめは「また、中国人か」と批判が拡大していった。)

ソーシャルで大きく拡散した後、大手メディアでも取り上げられた。その際に日本人であることが証明されている。その後、警察も動き、全裸になった彼らはタイ王国のブラックリストに入る事になった。

 

最近もモーターショーにおけるセクシーショーがインスタグラム等ソーシャルで話題になり、これがきっかけでショーを行った彼らは、公然わいせつ罪が適用され、5000バーツ(約1.6万円)未満の罰金刑となっている。

 

問題のセクシー・ショー

http://car.teenee.com/pretty_motorshow/81.html

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https://www.instagram.com/p/BDVc26BNWn6/?hl=jp(動画。音声が出ます)

 

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ショーを行った2人の謝罪会見(http://news.sanook.com/1970262/より)

 

タイは敬虔な仏教徒も多く、高僧と呼ばれる位の高い僧の社会的な影響力も強い。今でもお坊さんは女性に触れないように生活しているし、性については保守的な面も持っている。

 

一般人がこういったセクシーさを望むのに対して、一部の保守層はこうした性的なエンターテイメントを嫌う。この部分の(アウトかセーフかの)基準はタイ人自身も予想できない部分が多く、アイドル事業を展開するにおいても難しい舵取りになるのは間違いない。

 

タイにおけるBNK48事業について

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パタヤ・ウォーキングストリートのニューハーフ

 

現地で活動する日系アイドルというのは、日本企業の現地法人のように日本というバックグラウンドを抱えながらの展開になる。現地に住んでいる日本人だけでなく日本人のタイ旅行者、一部の日系アイドルファンを抱えての状態でスタート出来るので、その分有利なのは間違いない。ただ、大衆化するにあたっては大きな壁がいくつもあるだろう。

 

利益率を重視するなら、すでに存在している日系アイドルのファンを相手にする小さなビジネスを続ける形で良いかと思う。ただ、個人的には韓国女性アイドルに負けないぐらいのシェアを獲得するぐらい「一般化」を目指して欲しい。

タイならではとして、メンバーにいわゆるレディボーイ(ニューハーフ)を加えたり、エンターテイメントとして個性的で今までに無かった形も考えられるはずだ。

 

2016年中にプロジェクトはスタートするとのことなので、今後もBNK48事業を追いかけて行きたいと思う。

 

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