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踊るバイエイターの敗者復活戦

アルバイトやアフィリエイトを含めたネット広告からの収入で生計を立てる人に踊りながら(楽しみながら)生き抜くための知恵を紹介するブログ。多くのWebマーケターに読まれています。不定期19時頃更新。

地方移住が進むと日本全体が不幸になる理由

地方移住

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The Seattle Globalist

 

先日下記記事が話題となっていた。

この記事で触れていなかった事として、なぜ田舎は生活コストが低いのに、生活インフラのクオリティは都会と変わらないのか?という点がある。

イケダハヤトも勉強不足でこの点を知らないんだと思う。そうでなければ、東京人をわざわざ煽る理由が理解できなくなる。

 

目次

 

田舎暮らしが格安で出来る理由

田舎や地方の生活コストが「純粋に」低いと言えるのは住宅費だけである。場所によっては食費も抑えられるかもしれないが、これは都会でも一緒だ。

それ以外の光熱、通信費等、快適な生活を可能にするインフラ、サービスについては本来コストはもっと高くなるか、クオリティが下がらなくてはならない。にもかかわらず、住民の負担が増えず、クオリティが下がらないのは都会に住んでいる人が払った税金が入っているからである。

 

海外、特に発展途上国の田舎に旅行ではなく、住んだことがある人は知っていると思うが、通常田舎というのは都会で暮らした事のある人にとって住みにくくなっている。都会で育った人間が地方へ移住するというのは発展途上国ではほぼ無い。これは都会では普通に揃っているインフラの質が、日本とは違い、田舎では低いからだ。質を求めた場合、田舎の方がコストが高くなってしまうので田舎のメリットが殆ど無いのである。

仕事等やむを得ない理由での移住はあるだろうが、自発的に田舎へ移住する人はまずいない。

 

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ラオスの観光都市ルアンパバーン。首都から離れた山地にあり、全体的に物価は安いが、外国人観光客の求めるような質の高いインフラを求めた場合、コストが高くなる。

 

日本であれば憲法で保証されている事もあり、都会でも田舎でもインフラのクオリティは殆ど変わらない。水道、ガス、電気、通信も満足に可能で、道路も車で進むのに苦労しないぐらいの整備はなされている。水道水にサビが混入することは無いし、そのまま飲む事が出来る。電気の停電もほとんどないだろう。

ただ、田舎の場合、数十人しか住んでいないエリアにも水道管や電線、道路を通さなければならず、工事費用やメンテナンスのコストは都会に比べると高くなる。都会では1万人が利用している電線を田舎では100人しか利用していなかったりする。経済効率の観点で見れば、当然田舎の方が悪いだろう。田舎だと本来は1000円ぐらいするバスや電車も格安で行く事が出来るが、これらを補填しているのも、もちろん税金である。医療を含めたあらゆるサービスのクオリティが保たれているのも、税金のおかげなのである。

 

こうしたインフラやサービスについて、どれぐらい赤字になっている(地方の収益だけでは成り立たない)のか試算するのは難しい。それでも地方自治体の財源となっている地方交付税交付金で見てみると、田舎がどれだけ他に依存しているかが大体わかると思う。

 

地方交付税交付金は都道府県や市町村の財政基盤の弱い自治体に交付される税金であり、東京23区に住んでいる人はこの恩恵を受けていない。

東京23区以外の別の自治体で見てみると、大阪市民の場合、大阪府が年間2844.49億円(一人当たり約3.2万円)、大阪市が401.47億円(一人当たり約1.5万円)貰っているので、一人当たりに換算すると年間約4.7万円の交付を受けている事になる。高知県本山町民の場合、高知県が年間1742.99億円(一人当たり約24.1万円)、本山町が18.00億円(一人当たり約51.4万円)貰っているので、一人当たりに換算すると年間約75.5万円の交付を受けている事になる*1

 

まとめると

▶ 東京23区民:0円

▶ 大阪市民:年間約4.7万円

▶ 高知県本山町民:年間約75.5万円

人口3500人しかいない高知県本山町にも、年間18億円の税金が投入されているのだ。これだけのお金を外部からもらうことで、生活の質が維持できていると言える。

本山町の場合、年間75.5万円(月6.3万円)を住民が負担しても、生活コストが安いと言い切れるだろうか?

 

東京23区民で田舎の人達に「お前たちの生活コストが安くなっているのは俺達のおかげだぞ」と言う人はほとんどいないかと思う。にもかかわらず、勉強不足でこういった事情を知らない田舎の人間は「田舎は生活コストが安い。東京に住んでいるサラリーマンは馬鹿」と、田舎における低コスト高クオリティの実現を手伝っている東京の人間を煽っているのだ。

 

東京一極集中についての個人的な考え

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Event | Global Immersion Alumni Mixer in Tokyo

 

現在まで、東京を首都として機能させるために、日本は多くの税金をこの都市に投入した。その中で土地成金や政商*2、有力者も産み出して来た。努力や才能ならともかく、このように運良く金持ちになった東京人を地方の人が嫌う理由もわかる。


それでも東京に住んでいる人の殆どは地方出身者であり、東京に住んでいる人で東京生まれは1割しかいないとも言われている。大阪も地域によるが、沖縄や地方出身者が多い。

都会に住んでいる人たちはほとんどがより良い生活を目指して上京した地方の人間で構成されている。誰もが東京人になる権利を持っているのだ。

 

勘違いする人もいるかと思うのであえて補足するが、個人的には東京一極集中には反対である。災害が起こった場合のリスクも大きくなるだろう。あくまでも地方(田舎)移住が進むよりは東京一極集中が進んだ方がマシという考えだ。

理想は地方都市を含めた都会への人口集中だろう。地方都市とは北海道なら札幌、東北なら仙台、関東なら東京、横浜、中部なら名古屋、北陸なら金沢、関西なら大阪、京都、神戸、九州なら福岡があげられる。各都道府県の県庁所在地でも良い。

 

田舎に人を集める場合も、国にコスト(税金)を求めず、海外から人を集めるなら大賛成である。実際、地方でこうした取り組みを一生懸命行っている人もいる。

ただ、東京を必要以上に煽っている高知の人たち周辺では、こうした動きは全く見られていない。

 

地方移住は日本を非効率国家にする

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タイの首都バンコク

 

インフラやサービスのコストは、当然人口が一箇所に集中した方が安くなる。逆に、地方移住が進み、人口が分散すると国の負担は増える。

今でも補助金や地方交付税が都市から地方に再分配され、国の歳出の20%以上をしめている。

高速道路を東京に作れば数千万人が利用し、経済効果を踏まえればすぐに元は取れる。しかし、同じコストで高速道路を田舎に作ったら、100年経っても元は取れないだろう。

上の記事には下記のような記述がある。

「東京一極集中に歯止めをかけよう」とか「国土の均衡ある発展」とかいう政策は、1970年代に田中角栄が言い始めたもので、その後の日本の国土政策の基本です。

高度経済成長期には地方移住という「非効率化を進める政策」も日本全体の幸福度を上げる役割を果たしたかと思う。しかし、経済が停滞し、財政が悪化している今、非効率化を進めれば日本の更なる下落は免れないはずだ。

地方移住者が増えれば国の財政は悪化し、日本経済も沈んでいくのである。そうなれば日本全体として不幸になる人が増えるだろう。地方移住を若い人たちに薦める事は移住者個人だけでなく、日本全体を不幸にする可能性もあるのだ。

 

田舎に人を集める事で幸せになれる人もごく一部にいるが、それは土地の大地主や有力者ぐらいである。田舎の有力者はどういう人か、すぐに浮かぶ人も多いだろう。関西の田舎にいる有力者というのは大体があっち系の人かあっち系と繋がりがある人だ。

田舎を含めた地方移住推奨者達が、こういった事実を理解したうえで若者の地方移住を勧めているのだろうか?

 

もちろん、税金を求めない形で、コストを自身で負担したり、自給自足等を前提に地方移住するのは良い思う。しかし、今一部で見られる風潮のように、コストを負担しない、都会並のクオリティを国に求めるわがままな地方移住者が増えれば、日本全体で不幸になる人が増えるだろう。

 

この記事に反論がある人は是非とも記事なりで言及してほしいと思う。

 

ちなみに、セミリタイアの観点で地方移住を考えているなら、海外を選択肢にいれるべきだと個人的には思っている。

 

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*1:交付金の額は総務省|地方財政制度|地方交付税から

*2:政治や行政との癒着(官民癒着)により、 優位に事業を進めた事業家