テレビ等でも注意喚起がなされているが、「アフィリエイト」という言葉を使った詐欺が流行している。下記もその一例である。
内容を簡単に説明すると、
アフィロックというアフィリエイターが主催したイベントに参加した人(Aとする)が21歳の若者(Bとする)と会い、仲良くなる。ラインIDを交換し、Aは「アフィリエイトの情報交換」という名目で後日Bと会うことになった。そこでBから「アフィリエイトサイトは時間がかかるから、バイラルメディアが良い」と薦められる。
もちろん、バイラルメディアの運営が簡単なことなんてあり得ない。
「アフィリエイトに興味があるなら師匠を紹介する」とBに言われ、師匠の事務所に行くと、案の定バイラルメディアの話になる。そこではコミュニティーで特単を貰って広告を独占しているため、「入会すれば必ず儲かる」とBの師匠に薦められる。ただし、入会には60万円が必要とのこと。
Aは学生だったがクレジットカードを持っており、Bから利用枠の確認をされる。利用枠は60万円に届かなかったので、カードでの支払いが出来なかった。ここでBから派遣の登録を促される。これは新たにクレジットカードを作ってもらうためだった。
いずれにせよ、その場では決済できないので、話を持ち越す事になり解散する。知り合いのアフィリエイターに相談したAは入会を止めたようだ。
この場合、Aは一度その場から離れる事で、他の人の意見を聞く時間の余裕も出来たが、クレジットカードの利用枠が足りていたら支払っていた可能性が高いだろう。もちろん、クーリングオフ等の制度を利用すれば後日解約する事も出来るが、それまでに様々な面倒な事も出て来たはずだ。
その後稼げるようになるかもしれないが、全く稼げなかったとして、こういったケースを詐欺で立件するのは難しい。
基本的に、詐欺事件は警察も動かないと思った方が良いだろう。金を払った時点で終わりである。
アフィリエイト塾と有料コンテンツ
最近は塾という名称ではなく、サロンと名乗る集まりも多い。こういった塾やサロンを主催している人は基本的に、費用に見合うだけの価値を提供することに主眼を置いていない。多くが自身の収入を如何にして増やすか?ということしか考えていない。
noteにおける有料コンテンツの価格もそうで、市場での評価額を無視し、ファンは「このぐらいの額までなら金を払ってくれるだろう」と期待してなるべく高額に設定している。
数百円の場合、彼らはワンコインだったり、コーヒー一杯分などど表現する。もちろん、人にもよるが、薄いコンテンツが多く、市場価格とはかけ離れたバブル状態だ。
このような低質なコンテンツの販売を続けるなら、上手く購入者を洗脳し続けなければならない。騙されたと気づいた彼らの反発を買う事も覚悟しなければならない。
これらは当然の話である。
もちろん、こうした塾やサロン、有料コンテンツに対しては費用対効果を求める人だけではない。付き合いでコミュニティに入り、親睦を深めるのが目的の人もいる。ビジネスでは人脈が間接的な利益をもたらす事も良くあるだろう。
有益な塾や有料コンテンツもあるし、あくまでも費用を負担するのは本人の意思なので、これら全てを批判するつもりはない。
ただ、最近のライトな負担を求めるサロンやnoteを含め、これがより一般化して多くの人に触れやすくなっている事態には少し危惧している。
アフィリエイト詐欺の手口は費用面の負担だけではない
最初の事例では金銭の搾取が目的だった。しかし、この業界には労働の搾取を目的に弟子やメンバーを募集している所も多い。下記記事でも述べた通り、このアフィリエイト業界はツール等を使って自動化することがどんどん難しくなっている。
要はコンテンツなどを「人力」で構築しなければ、Googleから評価されず、アクセスが集まりにくくなっているのだ。もちろん、人材を募集すれば良いのだが優秀な人を払うだけのコストをかける事が出来ないため、安い労働力で働いてくれる奴隷のような人を常に探している。
弟子を増やしたい等と述べている人がいたら要注意だ。そういった人は安い労働力で人手不足を解消したいだけの可能性もある。弟子ではなくとも、規約違反の自己アフィリエイトを促されたという話はだいぶ前からすでに出ている。
彼らはTwitter等のソーシャルで高層マンション等の住んでる住居の自慢をしたり、食事写真をアップロードして、良い生活を送っている事をとにかくアピールしている。
内覧なう pic.twitter.com/WIMuh07NoD
— さけ茶@同意RTが得意です (@sitotukuruyo) 2015年1月12日
さよなら、タワーマンション pic.twitter.com/mc3Xo9kD3S
— さけ茶@同意RTが得意です (@sitotukuruyo) 2015年7月2日
なー! pic.twitter.com/Ssi0I2a9g8
— さけ茶@同意RTが得意です (@sitotukuruyo) 2015年11月30日
クマの肉なー! pic.twitter.com/duBpT5tO1H
— さけ茶@同意RTが得意です (@sitotukuruyo) 2015年10月22日
あくまでも1つの目安ではあるが、表面上はわかりやすいだろう。
若者が憧れるようなライフスタイルや辛いことから逃げるよう無責任な薦めをしてくる人も多い。
住居や食事の写真などに工夫できない人は、アホのように稼いでるアピールをする。
みなさん大好きなお金の話をしておくと、今月はすでにnoteで187万稼ぎました。これはやはり抜群に収益性がいい。これを元手に、面白いコンテンツをつくっていきます。今日はコストのかかっている記事を仕込みましたよ!月内に配信できるかな。 pic.twitter.com/lea6vb9oZT
— イケダハヤト (@IHayato) 2016年2月12日
こういった誘惑になびいてしまうのは若者ならしょうがない事かもしれない。
ただ、金銭だけでなく労働の搾取を目的にするなど、表面上わかりにくい搾取がある事も頭に入れておかなければならない。
アフィリエイトのイメージ
自分はアフィリエイトで稼ぎ生計を立てているアフィリエイターである。これは客観的な事実だ。リアルの世界では、職業を聞かれる機会も良くある。答えなければならないような雰囲気の時は情報サイトを運営しているなど、アフィリエイトという言葉を出さずに事業を説明するようにしている。
もちろん、この分野に詳しい人からは「アフィリエイトですか?」等と聞かれる。しかし、一般的にはあまり良いイメージを持たれていないので、最初からアフィリエイトというキーワードは出さない。
アフィリエイターの中にはアフィリエイトの持つイメージを向上させたいと思って活動している人もいる。ただ、やってることがやってることだけに難しいと思う。実際にアフィリエイトという言葉を使って悪質な金銭の搾取を行う人がいる限りは不可能だろう。
また、最近はイケ◯ハヤ◯だけでなく、ブログで稼いでいないタレント「何とかちゅう」等がブロガーを名乗り、サロンやnoteで金銭の搾取を行うなど、ブロガーにも胡散臭い人が増えている。詐欺という言葉を違法と判断されるような範囲に限らなければ、「ライトな詐欺」といっても過言ではないだろう。
自分がもし友人や親族にアドバイスするとすれば、ブロガー、アフィリエイター同士ならともかく、一般人に向かって「ブログやアフィリエイトで稼いでる」と堂々と話している人は詐欺師の可能性もあるよと、アドバイスするかと思う。残念ながら、そのぐらいこの業界はどんどん胡散臭くなっているのだ。
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