デュアルライフというと日本では一般的に、都会と田舎、東京と地方を交互に行き来きしながら生活する事を指しているかと思う。ただ、この記事では、都会と田舎、東京と地方に限らず、海外と国内を含めて、2拠点を交互に行き来しながら生活する事をデュアルライフと定義する。
デュアルライフは2つの環境で暮らすことが出来る利点がある一方で、コストが2倍になるという欠点がある。2つの家を借りれば、2つ分の家賃や光熱費通信費を毎月払わなければならない。一方に住んでいなくとも、当然両方の費用がかかってしまう。
もちろん、どちらかをホテル滞在にしたり、両方共ホテルで過ごす方法はある。ただ、半月滞在するだけでも、家を借りた方が安くなる。フリーランスであれば、効率良く作業出来る環境も、家や事務所を借りなければ構築できないだろう。
デュアルライフの費用を抑える方法としては
▶ 住んでいない一方の拠点をAirbnbを使って旅行者に貸し出す
▶ 2つの部屋を2人でシェアする
以上の方法がある。
前者は家賃負担が倍になるどころか黒字に出来る可能性もある。ただ、Airbnbには様々なリスクがあるので、これを減らす方法は知っておく必要があるだろう。後者は1ルームのシェアではなく、2ルームを友人等とシェアすることにより、コストをより確実に減らすことが出来る。
下記でそれぞれ詳しく述べていきたいと思う。
Airbnbで収入を得る
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Airbnbは自分で所有する、もしくは借りた家を旅行者等への滞在場所として登録し、貸し出すウェブサービスである。部屋を貸し出したホストは、宿泊料金という対価を宿泊者(ゲスト)から貰う事が出来る。
1泊の宿泊料金の設定は自由だが、相場は立地等によって異なる。東京の場合、レビューが少ない部屋は評価を集めるために1泊3000円程度と安く出されているが、1泊8000円~の家が多い。
Airbnbにはアパート部屋及び一軒家まるごと貸す「貸切」と1部屋だけ貸す「個室」がある。2ルーム以上ある家なら、自分が住みながら1部屋をAirbnbに使うことも出来る。ただ、オーナーも住んでいる「個室」はそれなりに安くしないと利用者もいない。女性の場合は少々不安も多いので当然だろう。
「貸切」の東京における平均で見れば、家賃の10分の1程度が目安になる。月8万円の家賃の家ならば1泊8000円程度が目安だ。
東京1泊の宿泊費(www.airbnb.jpより)
東京の家賃8万円のマンションへ1ヶ月住んで1ヶ月Airbnbで貸し出すという生活をしたと考える。1泊8000円で20日間貸し出すことが出来れば、1ヶ月16万円の収入になる。この場合、1ヶ月間住まいに利用しても、家賃負担は実質タダにすることが出来る。66%以上埋まれば、家賃がタダどころか黒字にすることも出来るだろう。
もちろん、この場合も光熱通信費だったり、Airbnbへの手数料(ホストは3%)、トイレットペーパーや石鹸、シャンプー、歯磨き粉の費用は負担しなければならない。清掃を業者に委託するならこれ以上の費用もかかる。黒字化にはもう少し空室率を下げる必要があるだろう。
そして、Airbnbにおいては、予め頭に入れて置かなければならないリスクも存在している。
Airbnbのリスクを抑える方法
コスト以外で考えられるAirbnbのリスクとしては
1.宿泊予約が入らない
2.周辺住民からのクレーム
3.部屋の清掃、鍵の管理
4.私物、郵便物
などがある。
空室が続けば当然収入も入らない。空室を避けるためには、「Airbnbサイトの目立つ位置に表示される」「レビューが多く評価が高い」など、ゲストの目に触れやすく、安心して泊まれるような家にする必要があるだろう。レビューがある程度貯まるまでは安く貸し出しをする必要がある。
また街のブランドも大きい。やはり、スクランブル交差点で有名な渋谷や新宿は東京へ旅行するアジア系の旅行者なら大体は知っている。大阪なら難波の知名度が高い。
欧米人の間では六本木や麻布界隈も好まれるが、アジア系の旅行者に比べると少ない。また、この界隈は家賃も高くなる。Airbnbに使うにはリスクも大きくなるだろう。
旅行者の多くが、日本は駅を中心に街の開発が進み、電車移動が便利であることは知っている。知名度の高い街でかつ駅からも近い部屋の方がゲストは集まりやすく、満足度も高いはずだ。
Airbnbで最も大きなリスクと言うと、やはり周辺住民から管理会社へクレームが入ることだと思う。家を借りる際に、Airbnbで利用する事を承諾してくれる管理会社はまだまだ少ない。Airbnbにより貸し出すことを規約で禁止しているマンションもある。規約を破れば当然解約を迫られる事もあるはずだ。
ゲストの中には騒がしい人も出て来る。また、外国人がマンション内でウロウロすることを嫌がる家庭もあるだろう。
こうしたリスクを避ける上でもAirbnbではファミリー向けのマンションの利用は控えるべきだ。また、こうしたクレームを「薄める」ためにも、元々外国人が多い場所が望ましいだろう。繁華街では騒音に慣れているし、住んでいる外国人も多い。東京なら新宿や池袋、上野、大阪なら難波のシングル向けの物件が最適である。
部屋の清掃や鍵の受け渡しを誰が行うか?という問題もある。ベッドシーツだったり、ゴミの片づけも行わなければならない。鍵の受け渡しもしなければ、新しい人に貸し出すことも出来ない。
海外に滞在している間日本の家を貸し出しているなら、これらを自分で行うことは出来ない。
友人にバイト代を渡して行ってもらうという方法もあるが、清掃についてはAirbnbの管理会社に依頼するという方法もある。
手数料を取られるため収益は減るが、宿泊予約時の集客を含め、こういった管理会社を利用すれば負担を軽減することが出来る。
鍵の受け渡しについては、デジタルロック式のものを取り付ける等すれば、直接会う要も無くなるだろう。
旅行者が宿泊する部屋に、私物を置いたままにするのは好ましい事ではない。当然盗難だったり紛失したら困る物もある。
これについては部屋を貸し出す際に私物をレンタルスペースといった場所に移すことで解決できるかと思う。
自分が滞在する際はそこから必要な物を取り出して生活を始めれば良い。
郵便物については、重要な書類が届く場合には家にいなければならない。それ以外であればポストに鍵をかけておけば良いだろう。
日本での住所は実家や別の場所にしておくといった選択肢もある。
2つの部屋をルームシェアする
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Airbnbで十分な収益をあげられることを前提に計画を立てるのは望ましい事ではない。宿泊者が現れず、最悪売上が0円の月もあるだろう。そのような生活を維持できるぐらい資金に余裕のある人が、リスクを覚悟の上で行うべきだ。
ローリスクを求めるのであれば、ルームシェアを考えた方が良いだろう。テラスハウスといったドラマが流行ったように、都心では家賃を抑える事が出来るルームシェアが流行っている。
場所にしばられずに働く事が出来るフリーランス同士でルームシェアするにも相性が良い。今なら、ブロガー・アフィリエイターの仲間同士でルームシェアしている人もいる。
ルームシェアではAirbnbを使った場合のように、家賃負担を0にしたり、黒字化させることは出来ない。ただ、2拠点を友人等とシェアする事により、よりリスクが少なく、負担を減らす事は出来る。
例えば、2人で2拠点をシェアして、自分が日本にいる時は相方が海外、自分が海外の時は相方に日本へ滞在してもらう。こうすると、出費が半分で済む。3人で3拠点をシェアしても良いだろう。
1ルームを2人でシェアする通常のルームシェアよりも費用の負担は大きくなる。しかし、滞在中は1拠点を実質1人で使う事が出来る。1ルームを2人でシェアするよりも、不満だったりストレスは少ないはずだ。
それこそ、ルームメイトを募集するサイトで相手を募っても良いだろう。
デュアルライフの様々な形
特定の場所へと通勤が必要な会社員では、日本と海外のデュアルライフは難しい。フリーランスで収入を得ていたり、十分な資産を持っている人の方が現実的だ。
もちろん、距離が離れていなければ、会社員でもデュアルライフで異なる2つ環境を手に入れる事が出来る。例えば、東京の高層マンションとボロボロのアパートの生活を交互に行うためにデュアルライフを取り入れたいという人も中にはいるだろう。
デュアルライフの目的は人によって様々かと思う。
セミリタイア生活を一部に取り入れる事でリラックスを目的としている人もいる。
住む環境を変えてモチベーションを保ったり、パフォーマンスを高めたいという人も多い。花粉だったり、季節を含めた環境の変化で作業効率を下げたくない人もいる。寒い期間だけ海外の暖かい場所に住みたいという人もいるだろう。
多少の移動コストがかかっても、パフォーマンスが高めるならデュアルライフをする価値は十分にあるはずだ。
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