アフィリエイターとは主にアフィリエイト広告(成果報酬型広告)で収入を得ている人をいう。アフィリエイターには会社員や派遣社員、フリーターとの兼業で行っている人の他、主な収入がアフィリエイトの「専業」アフィリエイターもいる。
この記事ではアフィリエイター、特に専業アフィリエイターになりたいと思っている人が
▶ アフィリエイターになるまでに知っておくべきこと
から
▶ 専業アフィリエイターになってから心がけるべきこと
まで詳しく述べていきたいと思う。
アフィリエイターは他の自営業と同様に、長期で安定収入を得るのが難しい職業である。したがって、この記事にあるようなアフィリエイターになってからの現状をしっかり知った上で、目指した方が良いだろう。
アフィリエイターになるまでに知っておくべきこと
アフィリエイターには、アフィリエイト収入を得るだけでなれる。したがって、アフィリエイターになること自体は難しくない。しかし、「十分な」収入をアフィリエイトで得るのは簡単ではないだろう。
アフィリエイトで稼ぎたい場合、時間を注ぐべきなのはアウトプット、要は記事の生産である。十分な収入を得たいなら最低でも100記事は投稿しなければならない。くわえて、記事が評価されるまでには時間も必要とされる。
会社員はもちろん、比較的時間のあるニートでも毎日やることは決まっている。寝る時間はもちろん、ゲームや趣味に費やす時間は確保したいはずだ。そんな忙しい毎日の中で、記事を書くことを毎日のスケジュールへ入れ、習慣化しなければならない。この忙しい毎日の中で「記事を書く時間を長期に渡って確保できるかどうか」が最初の難関になるだろう。当然、記事を書くことを習慣化しても、機械的に記事を更新していくだけでは収入も十分に得られない。十分な収入を得るためには試行錯誤と改善を行う必要がある。稼ぐための戦略も色々と試していかなければならない。

ある程度収入が増えてきた時に、アフィリエイト作業に費やす時間、労力を増やしたり、労働はアフィリエイト作業だけの「専業アフィリエイター」が選択肢へと入ってくるかと思う。ただ、「専業」アフィリエイターになるなら、事前に様々なことを知っておく必要があるだろう。
専業アフィリエイターになるには?
アフィリエイターの進路の1つとして専業化がある。専業とはメインの収入、つまり本業をアフィリエイトにすることである。会社員だった人がアフィリエイト収入だけで暮らしたり、他にも収入のある人がアフィリエイト収入を増やすことに労力的、金銭的リソースの殆どを注ぐことを言う。
では、どのぐらいのアフィリエイト収入で専業アフィリエイターになるのが良いか?
著者のケースで言えば、月10万円程度のアフィリエイト収入で専業アフィリエイターになっている。しかし、専業アフィリエイターになるかどうかは
・生活支出
・正社員ならキャリアを中断することによる損失
を考慮した上で判断した方が良いだろう。
たとえば、生活支出が月5万円程度の独身なら、アフィリエイト収入が10万円でも十分生活できる。しかし、家族を養う必要があるなら10万円では足りないだろう。当然専業アフィリエイターへの壁も高くなる。
また、会社員が専業アフィリエイターになるかどうかについては現在の収入以外にも考慮すべき点がある。会社員の場合、新卒採用から継続的に会社で働いているなら、キャリアの損失を一番に考えなければならない。
専業アフィリエイターになると生じるリスク
会社員を辞めるリスクとしてはキャリア面が主になる。特に、転職市場でも評価されるような会社員だったり、専門性の高い職に就いている人たちは後戻りができなくなったり、市場での評価が大きく下がってしまうだろう。もちろん、これは長期で安定した収入が得られなくなることにも繋がる。こうした職業ほど、独立して自営業になった時の損失も大きくなるだろう。
逆に言うと、キャリアのないフリーターなどは専業アフィリエイターになるリスクもほとんど無い。むしろ、ある程度の売上のある自営業の方が、社会的にも信用は構築できる。自分もフリーターだったので、キャリアの点では何ら迷うことは無かった。
また、会社員でも進んでいるキャリアに疑問を感じたり、長期でその仕事を続けられないと思っている人もいるだろう。
こうした人が専業アフィリエイターになっても損失はほとんど無いはずだ。
キャリア以外のリスクについて
アフィリエイターに限らず自営業者は年金や税金、病気になった場合のリスクのことを周りからよく言われる。しかし、支出をコントロールし、余裕のある範囲でしっかり控除などの税金対策を行えば税金面で不利とは言えなくなる。むしろ、事業の延長で生活し、控除の使い方が上手くなれば、少ない税金で豊かな生活もできるようになるだろう。
アフィリエイターを含む自営業の税金対策については下記記事を参考に。

病気については失業保険や労災、仕事で精神疾患になった場合に使える公的制度がある分、会社員の方が恵まれている。これらの面では確かに会社員の方がリスクは少なくなるだろう。

それでも数百万円程度の貯蓄を余分に用意しておくだけで、サラリーマンとの立場的な違いも無くなる。病気についても、高額医療費制度が使える国民健康保険への加入で十分だ。
会社員と比べると、病気の面でリスクが高くなるのは否定できない。ただ、世界というレベルで見れば、国民健康保険へ加入しているだけで、非常に恵まれた環境にいると個人的には感じている。
専業アフィリエイターになってから心がけるべきこと
環境次第では専業アフィリエイターになることも難しくない。特に、月5万円程度で生活できている人なら、実現可能性も高く、維持も容易だろう。ただ、アフィリエイターになってからは「成長」、モチベーションが低くとも「維持」は心がけなければならない。特に、生活の維持は自営業を続ける上で避けられないだろう。
会社員のメリットとしては勤めている会社が潰れても、継続したキャリアがある限り、ある程度の収入が保証されるという点にある。つまり、長期で安定した収入を得ることが保証されている。
アフィリエイターとして生活を維持するなら、アフィリエイトの売上を確保することが一番の理想になるだろう。しかし、アフィリエイターという職業で収入を安定させるのは難しい。特に、売上を作ってきた今までの手法が通用しなくなって、成長が止まってからが大変である。したがって、生活を維持させようとした場合、アフィリエイト収入以外での対策も考えた方が良い。アフィリエイト収入以外での対策としては「コスト面」と「収入面」「人脈面」に分けられる。
生活を維持する上で必要なコスト面での対策
アフィリエイターに限らず、自営業者になると様々な面でプライベートと仕事の区分が薄くなる。時間的にもそうだし、金銭的な部分でもそうだ。8時から17時まで働けば、時間が拘束されれば、必ず給料がもらえるわけではない。生活費を稼げなくなれば、当然事業も継続できなくなるだろう。
もちろん、プライベートと仕事の区分が曖昧になる分、自由をより感じられる。区分がないということは強制もないということだからだ。夜更かしして、次の日の午後から働くことにすることも可能になる。しかし、このような環境で会社員以上に稼ぐには時間的、金銭的コストに対するパフォーマンスを高める必要性が出てくることを意味する。
これは投資に例えるとわかりやすいかもしれない。コストをかければ、その分の見返りを得ることができるか?きちんと、把握した上で判断する必要が出てくる。
最近は是が非でも作業用のノートパソコンをMacbookにしたいというフリーランス志望者も見かける。これ自体は稼いでおり、PCのパフォーマンスで損失を被るぐらいアウトプット(作業量)ができる人なら悪くないかと思う。しかし、稼いでいない、ほとんど収益につながるアウトプットも習慣化できていない人にはオーバースペックである。正直稼げるようになるまでは数万円、高くても5万円程度のノートパソコンで十分だろう。
上でも述べたように、仕事との区分が薄くなる自営業になれば、生活面でのコスパも事業に関わってくる。こうした仕事以外のコスパを高める方法を含めて知りたい人は下記記事を参考に。

生活を維持する上で必要な収入面での対策
アフィリエイト事業が継続できるかどうかはGoogleのアルゴリズムによってほぼ決まる。アルゴリズムが変わっても、その都度適応し、生き残っているアフィリエイターも確かにいる。しかし、クエリによっては、小規模事業者では上げられなくなっているし、検索結果の表示(ナレッジグラフ)変化によりアフィリエイトサイトへ流れるトラフィックは減少している。

アフィリエイト事業においては不可抗力によるリスクが存在しているのだ。
アフィリエイト事業に集中し、リソースもアフィリエイト事業だけに注ぐことは悪いとは思わない。ただ、収入構造をGoogleに依存するのはリスクを避けたいのならアフィリエイト以外からの収入を増やす、要は別の事業も並行して行うべきだ。金銭的、労力的なリソースが増え次第、全てではなくとも、リソースの一部をこちらへ注ぐのである。
リスクを分散したいなら、アフィリエイターになる前から別事業を行うことも考えておいた方が良いだろう。
個人的には、稼げるようになったアフィリエイターはアフィリエイトから卒業すべきだと思っている。アフィリエイト事業だけに集中すると、事業規模を大きくするようになり、リソース量で他を圧倒しようとしてしまう。これは結局、自分の首を絞めることになるからだ。

生活を維持する上で必要な人脈面での対策
同じアフィリエイターでも、キャリアの保証がある兼業アフィリエイターとして生きていくなら状況は全く異なる。上でも述べたように、一度キャリアを外れると、転職市場での評価は下がってしまうのが普通だ。また、知識としては、アフィリエイト収入を得るために培ったものしか持っていないだろう。
もちろん、アフィリエイターとしてのキャリアが活かせるケースも存在している。実際、ブロガーやアフィリエイターという立場を生かして企業へ就職した人もいる。ただ、自営業から会社員として就職するには、多くのケースで人脈によるものが大きい。したがって、アフィリエイターは稼いでいる時こそ謙虚に人脈を広げておくべきだ。稼いでる時に企業へ顔を売ることで、稼げなくなってから拾ってもらえることもある。
また、キャリアの保証にならなくとも、稼いでいる時は資金面での協力がお願いできるケースもあるだろう。もちろん、金融機関に頼んでも良い。
稼げなくなってから謙虚になり、職の紹介や資金援助を求めても足元を見られてしまう。稼いでいる時こそ謙虚に、しっかりと人脈を広げることが大事だ。
専業で生きていくと決めた後、専業になった直後はこの状態をずっと維持できる自信に溢れているはずだ。しかし、数多くの退場者(アフィリエイト収入で生活できなくなった人)を見てきた立場で言うと、コストパフォーマンスは常に高めなければならないと思う。
また、収入の点、キャリアの点でのリスク分散も全てのアフィリエイターが行うすべきことだと思うのである。
