タイのリゾート地・パタヤのホテル
デュアルライフと言うと日本では一般的に、都会と田舎、東京と地方を交互に行き来きしながら生活することを指している。しかし、この記事では、海外と国内を交互に行き来しながら生活する事を「デュアルライフ」と定義し述べていきたい。
会社員の場合、こうしたデュアルライフを実現するのは移動の制限が生じるので難しい。デュアルライフを送っている人の多くはフリーランスを含めた自営業者が殆どである。
もちろん、自営業者であれば、誰でも簡単にデュアルライフが実現できるわけでもない。また、デュアルライフを「継続」させる上でも把握しておかなければならないことはある。
この記事では
▶ デュアルライフを「実現」「継続」させる方法
に加えて
▶ 完全な海外移住を考えている人にもデュアルライフがおすすめ出来る理由
まで詳しく述べていきたいと思う。
デュアルライフを「実現」するには?
デュアルライフを実現するには
▶ 場所に制限なくお金を稼げる
▶ 十分な収入もしくは資産がある
いずれか1つを満たさなければならない。
「場所に制限なくお金を稼ぐ事が出来る」については、インターネットで仕事を受注したり、ブログなどのサイト運営で稼ぐ事の他、事業を自分で起こす形、フリーランサーでも良いだろう。
多くの人はフリーランスを含めた自営業という形で事業を行うのが普通になるかと思う。
場所に制限がなくお金を稼ぐことが「出来なく」とも、十分な資産を持っていれば実現自体は可能である。親が大地主だったり、お金持ちの家庭に生まれれば容易に実現できるだろう。
デュアルライフの欠点
デュアルライフは2つの環境で暮らすことが出来る利点がある一方で、コストが2倍になるという欠点がある。日本と海外2つに家を借りれば、2つ分の家賃や光熱費通信費を毎月払わなければならない。
どちらかをホテル滞在にしたり、両方共ホテルで過ごす方法はある。しかし、家を借りた方が断然安くなる。
効率良く作業出来る環境も、家や事務所を借りなければ構築できないだろう。
この辺も人によるかと思うが、自分の場合、ノートパソコンでは作業効率が大幅に落ちてしまう。デスクトップでモニター2枚以上の環境を2ヶ所で構築しなければならない。
また、国を跨ぐ際の移動費も固定費としてかかってくる。アジアなどの近場を数ヶ月単位で移動するだけなら、月平均で1万円程度かと思う。しかし、数か国を行ったり来たりしていると月に数万円は負担増となる。
デュアルライフを送る事で、年間数百万円の負担が余計に生じると考えた方が良い。
その他お子様がいる場合には、学校をどうするか?等の問題も生じてくる。家族が居ることで移動の制限が出てくるのも間違いない。
フリーランスのリスクについて
フリーランスについては良く言われている通り、サラリーマン以上に収入は安定しない。従って、サラリーマンが仕事を辞めて、安易にこういった生活を目指すことはおすすめしない。
将来のキャリアを考えれば、サラリーマンとして過ごした方が環境として安定が見込めるだろう。辞めるにしても、数年生活できる資産を作るか、本業以外の副業で、ある程度の収入を上げられるようになってから辞めるべきだ。
現在アルバイト生活をしている人だったり、ある程度貯金が貯まったり、給料以外の副収入として生活するのに十分な額が得られるようになった人には、選択肢の1つとしてフリーランスはおすすめである。日本においてはこうした立場の人間はポジション回復が容易だからだ。
セミリタイアとも似ている部分があるので、デュアルライフの実現を考える上でも下記記事は参考に。
デュアルライフの場合、一般的にはセミリタイアよりも費用がかかると思う。その分難易度は高くなるが、人生の目標としてデュアルライフを考えても良いだろう。
デュアルライフを「継続」する上で生じる問題と解決方法
デュアルライフを実現する上には、お金の問題が一番大きい。これは避けられないかと思う。デュアルライフを継続する上では、お金に加え、コミュニケーションや文化といった部分以外にもクリアしなければならない問題がある。
まず大きいのは滞在する際に直接的な制約となる「滞在期間」の問題である。海外では外国人の滞在期間が国ごとに決まっている。例えば、日本人がタイに滞在できるのは30日で、韓国、台湾には90日間の滞在しか認められていない。
現地の人と結婚したり、ビザを発行してもらえる人なら問題はない。しかし、現地で働く事を考えていないフリーランスや自営業者が海外に住むとなると、基本的に長期での滞在は難しくなる。
タイなどではタイランドエリートといった優遇政策があり、50万バーツ(約160万円)程度から5年以上滞在の権利をもらえる。
しかし、多くの一般人にとっては大きな壁になるだろう。
海外移住を継続させるためには?
まず、海外移住における滞在期間の壁は定期的な一時帰国という形で回避できる。陸路で続く周辺国へ出国して滞在期間を伸ばす、いわゆる「ビザラン」では再入国が制限される国もある。しかし、日本へ一度帰る形であれば、半年間で滞在できる日数が決まっている国でも問題無く入国できる事が多い。
確かに、アメリカなどではノービザ観光による複数回の滞在でも厳しく審査される。また、タイでもノービザによる滞在期間が1回30日という制限の他に半年間で90日という制限もある。これをクリアするために、1ヶ月間タイで1ヶ月間日本という生活を交互に行う必要がある。
ただ、多くの国では、ビザ無しでも滞在期間さえ過ぎなければ、日本と海外を1:1で滞在することが可能である。
デュアルライフによって滞在期間の問題はクリア出来る。しかし、こうした日数の違いは国ごとに異なっている。日本が寒い冬の時期は多めに海外へ滞在したり、日本での手続きが多くなるシーズンにはその分長期に滞在する必要が出てくるだろう。
2つの拠点にあったライフスタイルをきちんと構築することが必要になるはずだ。
完全な海外移住を考えている人にもデュアルライフがおすすめ出来る理由
海外生まれだったり、元々海外にルーツを持つ人もいなくはない。ただ、日本人の場合、海外生活を始めるきっかけとなったのが、海外旅行や海外留学だった人は多いはずだ。
事前情報で魅力を感じ、実際に渡航することで、それが確信へと変わり、移住へと動き始める。
海外旅行へ良く行く人はわかると思うが、海外の魅力は環境や生活のポジティブな変化かと思う。日本では感じられないような刺激を受け、自分自身を大きく変化させる事が出来る。日本では物静かで抑圧されたような性格の人でも、海外にいる間はよくしゃべり、日本ではしないような遊びにふける人も多いだろう。こうした環境に浸っていれば、生活拠点を変えたい気持ちになるのも普通の事だ。
ただ、海外旅行から海外生活に入る人は、その後多くの壁にぶつかる。人によって様々だが、コミュニケーションや文化の問題は海外生活を長くするにあたって、どうしてもストレスに感じてしまう。短期の滞在では気づかない事も多いが、コミュニケーションでの問題は徐々に負担になっていく。文化の違いの問題としては、日本では制限されて真面目にやるのが当たり前だった事が海外では適当な事も多々ある。
特に、海外では日本ほどサービスの品質は良く無い。サービスの事で激怒している日本人旅行者を海外で見たのは1度や2度ではない。
海外から帰国した多くの人が、日本のサービスに改めて感動するのはよく見る光景である。海外生活によるストレスを完全に無くす事が出来ないのは日本で生まれ日本で育った以上はしょうがないことである。
完全に海外へ移住してからではこうした部分でも苦労するだろう。しかし、デュアルライフとして、日本に拠点を残しておけばすぐに元の生活へ戻ることが出来る。完全に海外移住をする前の実験的な期間に、デュアルライフを取り入れるのも非常に有益なのだ。
もちろん、完全な海外移住が出来なかった人にもデュアルライフという形で海外生活を実現する手段になり得る。
海外生活を実現する上での過程としてだったり、目的としてだったり、多くの人におすすめ出来るライフスタイルと言えるだろう。