3月8日頃にロールアウトされ、Googleの検索結果に大きな影響を与えたアップデート「フレッドアップデート」が話題になっている。フレッドアップデートについては、各メディアですでに話題となっており、知っている人は多いかもしれない。
様々な憶測が流れているが、個人的に観測出来た範囲で言うと、このアップデートで特徴的だったのは商標系のクエリ(キーワード)を多く含んでいた公式以外のサイトが下落したという点である。この下落はブラックハットを明らかに用いていないサイトでも起こっている。
ホワイトハットでも順位の下落が起こったので、サイト運営者の間では異なるリスクが生じたとの認識が広がったように思う。
そうそう、今回は完全ホワイトっぽいサイトが飛んでる。>RT
先月のアップデート以降、ブラックかどうか関係なく、アレで補足されて、順位が高いキーワードが2、3ページ目に落とされている。
たぶん、ブラックだからペナルティというよりも、単純に過大評価されてる分を是正したみたいな感じ?— 付利意雷布亜@1代目 (@freelifer1) 2017年3月8日
ただ、商標クエリを狙うことでアクセスを集める行為はGoogleにおけるペナルティの基準となる「評価の偽装」とは言わない。
確かに、評価の偽装も商標クエリを狙うのも、金儲けの目的があることは否定出来ない。この基準で考えると、広告が多いサイトでは必然的に金儲けのために商標クエリを狙っていた可能性もある。
これらのトピックについて、下記で詳しく述べていきたいと思う。
フレッドアップデートの影響を受けたサイトとは?
今回フレッドアップデートによって大きな影響を受けたサイトの特徴としては、
▶ 広告が大量にあるサイト
▶ 低品質なコンテンツを含むサイト
▶ 大量のコンテンツがあるサイト
などと言われているが、噂として特に広まったのは「広告が大量にあるサイト」というものだろう。
この広告が大量にあるサイトの順位が下げられたという情報のソースは下記海外の記事が発端となっている。
この記事は著名なSEOマーケターであるBarry Schwartz氏が運営するサイトで投稿されている。
ただ、彼が記事を公開してすぐに、自分は下記のように発言した。
「Ad Heavy」、要は「広告ばっかり」みたいな記事をターゲットにしたと。まあ、広告がライトな記事も落ちてるから、後者の「質が低い」の部分を広い意味で適用したんやろうなーって思う。「質が低い」って言うと、内部だけを考えがちやけど、今回は外部評価も関係してるよね、きっと。 https://t.co/BxxOt58SQf
— 付利意雷布亜@1代目 (@freelifer1) 2017年3月13日
「広告ばかりのサイトに特徴的な下落は起こっていない。」
この見解は基本的に今でも変わっていない。フレッドアップデートに捕捉され、順位を下げたサイトを見ても、広告ばかりのサイトではなかった。
今回のアップデートでは、低品質だったり、広告が大量に貼っているサイトよりも、特徴的な動きをしたのは商標ワードを含んだクエリであった。下落が起こったのも、商品名やサービス名、企業名で上位表示している個人サイトが多かったのである。
公式サイトのトップページや個別記事がより上位に表示され、今まで恩恵を受けていたいくつかのサイトはこれらのキーワードで2、3ページ目にまで下落している。
商標系キーワードで上位表示されると、その商品やサービスに興味のあるユーザーが数多く訪れる。購買意欲もあるユーザーなので、ネットショップだけでなく、アフィリエイトなどが挿入された記事でもかなりの売り上げを作ることが出来る。
商標系キーワードの例として、ブロガーの間では「Amazonプライム」などが有名だろう。商標系のキーワードはアフィリエイターだけでなく、ブロガーでも金儲けの目的で狙っている人は多いはずだ。
ただ、商標系のクエリが特に影響を受けたというだけで、公式サイト以外の全てのサイトで商標系クエリが下落したわけではない。また、商標系のクエリ「以外」でも、サイト単位で多くのキーワードが2ページ目以降に飛ばされるという現象が見られている。
また、こうしたクエリを狙うと「必ず」フレッドアップデートの影響を受けるわけではない。下落リスクの1つとして、新たな基準が生じたと覚えておけば良いだろう。
フレッドアップデートによる捕捉とブラックハットSEOとの違い
フレッドアップデートによる捕捉
フレッドアップデートによって捕捉されたサイト(もしくは記事)とされていないサイトにはある「違い」がある。この違いに気づいた人は修正を行い、リスクを減らしているはずだ。
下落したサイトでも、きちんとGoogleによる補足を避けるような施策を行うことで、その後良好に推移しているところも出てきている。Googleによる補足リスクを減らすような構造、内外部の評価になっていれば、商標ワードが多くても、上位表示がなされたままでアクセスを維持することが可能なのだ。
ブラックハットとの違い
Googleは検索エンジンの掲載順位を決める評価を偽装し、不正な方法で検索結果を上位表示させる事をガイドライン違反としている。いわゆるブラックハットSEOである。
ガイドラインに違反し、ペナルティを受けると、ドメイン丸ごとキーワードが下落する。
クエリ毎に順位の下落が見られたブレッドアップデートと同時に襲われたサイトもあるが、基本的に異なる動きとなる。
また、クエリを狙うことでアクセスを集める行為はGoogleのいう「評価の偽装」とは言わないだろう。
ブレッドアップデートによって順位を落としたケースでも「ペナルティ」という言葉を使っている人が数多くいたが、両者は一緒にすべきではない。
今回の変動はペナルティ受けたとこもあるけど、多くがアルゴリズムに引っかかる事による減少。題名ではきちんと表示されてるし、ボリュームのあるキーワードで引っ掛けられてる。
2月のは数十%程度のサイトが多かったけど、今回は整えてたサイトほど影響受けてて70、80%減ってるとこもありそう— 付利意雷布亜@1代目 (@freelifer1) 2017年3月8日
ただ、評価の偽装も商標クエリを狙ったのも、金儲けの目的があることは否定出来ないだろう。この基準で考えると、広告が多いサイトでは必然的に金儲けのために商標クエリを狙っていた可能性もある。Barry Schwartz氏の言う「広告ばかりのサイト」がフレッドに捕捉されたというのは完全な間違いとは言えないのだ。
フレッドアップデートによる捕捉はブラックハットによるペナルティとは違った新たなリスクを生み出した可能性が高い。商標系クエリばかりを狙った低品質なサイトとしてGoogleに認知されれば捕捉のリスクも高まるのである。
それでも、商標系のクエリを含め、他よりも先にクエリを埋めれば、先行者利益を得る事が未だに可能となっている。
これについて詳しくは下記記事を参考に。