フリーランスという言葉がメディアでも取り上げられるようになったのは、IT革命によりこの分野における技術者が増えて来てからだろう。プログラミングやウェブデザインといった個人でも出来る仕事が増え、労働環境にも多くの影響を与えたのは確かだ。
フリーランスと言うと格好良く聞こえるかもしれないが、分類上は個人事業主(自営業)に分類される。年20万円の稼ぎが生じると確定申告の義務が生じるため、無職の人でも何らかの方法で年20万円を稼げば自動的に個人事業主となる。フリーランスでもピンきりと言えるだろう。
日本は今でもサラリーマンを含む被雇用者が圧倒的多数だ。2015年1~3月の統計を見ても、自営業者はその家族を含めても10%程度である。
それでも主たる収入源だけでは生活に満足できなくなり、副収入を得ようとサイドビジネスをしているサラリーマンは増えている。副業で独立し、フリーランスを今後の働き方として考えている人も一定数はいるだろう。
今回はこうした人達に向けて
▶ フリーランスになるための条件
から
▶ フリーランスの生活を維持するために実践している事
を中心に述べて行きたいと思う。具体的にどういったフリーランスがあるかはフリーランスの仕事の記事で紹介しているのでそちらを参考に。
フリーランスになるには?
支出を把握し、収入の範囲内に抑える事ができるか検討する
フリーランスになる前に大事なことは現在の自分の支出を把握する事である。例えば、あなたの月々の出費が5万円程度であれば、比較的すぐにフリーランスとして生活できるようになるだろう。支出を限りなく少なくすれば、フリーランスになる事自体はそこまで難易度の高い事ではない。
自分のケースで言えば、月10万円の収入をネットから得られている時にフリーターを卒業し、完全に個人事業の収入のみで生きていく事に決めた。月10万円の収入があれば生活することが出来たからである。
もっと普段の支出があったら、独立になるのは遅かったり、更に生活を実現出来なかった可能性もある。

自分が提供可能なサービスに金銭的な価値を付けてもらう
フリーランスで収入を得る方法はIT関連をはじめとして様々であるが、現在自分の持っている強み、ポテンシャルを生かした方が良いだろう。
手段は様々であるが、まずはクラウドソーシングサイトを利用してサービスに価値を付けてもらう機会を得る事から始めるのが良い。将来的にフリーランスを目指すのであれば、今からどういった需要(案件)があるかだけでもチェックしておくべきだ。
IT技術にかんする専門知識があれば、こうしたサイトを利用するだけでも、ある程度の収入は得る事が出来るようになる。翻訳などの案件も多いので、外国語のスキルがある人も利用してみる価値はあるだろう。
フリーランスになる前に必要な準備
今まで会社員として収入を得ていた人は意識した事もないかもしれないが、個人事業主になってからすぐの状態は社会的にも信頼が無い状態である。
ローンが組めない、クレジットカードが作れないのは当たり前で、家賃保証会社の審査にも通らないため、借りれる家さえも限定されるのである。
事業に行き詰まった際に借金するというのは好ましい事ではないが、生きていく上で急な出費を完全に避ける事は難しい。不要だとわかっていても、決済に便利なクレジットカードはもちろん、利息の低い銀行系のキャッシンカードなどすぐに借り入れできる状態にしてから会社を辞めた方が良いだろう。
急な病気や事故にあった場合にも、こうした借り入れが出来る環境に助けられる事もあるはずだ。
審査に通りやすく、フリーランスにおすすめのクレジットカードとして楽天カードがある。楽天カードを申し込む前に知っておくべきことについては下記記事を参考に。

フリーランスの生活を維持するために実践している事
上でも述べたようにフリーランスになる事はそこまで難しい事ではない。年収20万円を越え、収入が支出を上回れば良いだけなので、支出が数万円の人ならばすぐにでも実現できるだろう。
フリーランスを目標にしている人は多く、そこにハードルを感じている人が多いような気がするが、フリーランスはなるよりもそれを維持するほうが断然難しい。
自分は日本で月20万円、1回のタイ旅行で60万円程度の出費はあるが、これを越える収入があるため今の生活を維持する事が出来ている。収入が増えるにつれて支出も増加しているが、これはおそらく誰しもが経験する事だろう。
従って、維持する事に重点を置けば、支出を必要以上に抑えるよりもパフォーマンスを落とさないためのライフスタイルを確立した方が良いような気がするのである。
規則正しい生活と運動
サラリーマンと違いフリーランスには決まった時間に出勤するといった義務がない。従って、どうしても寝る時間だったり、生活は不規則になってしまう。
生活が不規則になってしまうだけなら問題ないが、お金を作るための作業時間が少なくなってしまうのは問題だろう。
稼ぎよりも自由な時間がほしくて、フリーランスを検討する人も多いかと思う。自分もはじめはこういった考え方だったので、起きる時間は不規則、暇があればアメーバピグで時間を潰すといった生活を毎日のように行っていた。 アメーバピグには自分以外にも毎日10時間以上プレイする人がいて、下手すればこうした娯楽に過度に依存した廃人になりかねない生活をしていたと思う。
サイト運営というビジネスの性質上作業が止まっても収入は入ってきたが、運良くこうした機会に恵まれただけで、十分に作業できない生活が続けば無収入にもなり得ただろう。
また、マイペースに仕事はできるとはいえストレスは溜まる。それを解消する活動をしないとどうしてもネット上で攻撃的な人間になってしまう。当時はアメーバピグで毎日のように喧嘩していた。それが、ちょっと前から地域の社会人クラブでスポーツしたり、ジムにも通うようになって、ネットのちょっとした煽りにも過剰に反応しないようになった。
運動は精神を安定させるという意味でも健康に良い。日常的に運動している人は精神的な病気になるリスクも大幅に少なくなるという研究データもあるので、フリーランスに限らずサラリーマンも日常的に取り入れていくべきだろう。
なるべく毎日外出する
毎日なるべくしようと思っているのが、朝の通勤時間帯に近場の駅へ出向きカフェで作業したり、通勤するサラリーマンを眺める事である。はじめにも述べたとおり、フリーランスを含めた個人事業者という仕事は社会においては少数の特殊な働き方である。
こうした社会における位置づけを再確認するため、サラリーマンの中へ定期的に自分を置いて比較するようにしている。
週のうち1、2回は1時間以上かけて繁華街のカフェや作業出来る場所へ行く事もある。ここでは外国人が増えていたり、意外と若い人が昼間からPC作業をしていたりして、環境の変化を肌で感じる事が出来る。
外にでる事で社会のちょっとした変化に気づいたり、家では浮かばないアイデアも浮かんだりする。作業効率はパソコンのスペックやディスプレイサイズなど、家の方が高めやすいが、どうしても他の誘惑が多く作業だけに集中する事が出来ない。外出先の作業スペースでは、カフェのお茶代などもかかってくるだろう。
作業効率は落ちるし費用もかかるが、長期でフリーランスを続けるため、パフォーマンスを落とさないためには必要不可欠な要素かと思う。もちろん、収入が少ないうちはこうした支出もばかにならないと思うので、近場の図書館や社会人向けに開放している大学を利用するなど、別の方法も検討する必要が出てくるかもしれない。
時間的場所的拘束が少ないフリーランスの仕事
タイの首都バンコクでもクラウドソーシングサイトで仕事案件をもらいながら生活している日本人はいる。ビザや税金関係の問題はあるが、ネットを通して仕事を得やすくなっている今は場所的な拘束も少ない。こうした部分だけ見ても、フリーランスは恵まれているように思える。
また、案件やビジネスの内容にもよるが、雇われの身と違い時間的な拘束が少ないのもサラリーマンとの大きな違いだろう。仕事をマイペースに行いたいという人は一定数いるはずで、こうした人の需要に答える働き方である。
新卒採用というゴールドチケットをもらって企業に就職した人がフリーランスになるのは、キャリアを無駄にする可能性もあるため安易に薦めようとは思えない。収入増や安定も将来に渡り期待できる保証はサラリーマンよりも無いし、長期で見れば環境が悪化してしまう可能性もある。
ただ、職場や収入に恵まれない被雇用者が会社以外から収入を得る事は、積極的に検討すべきだと思っている。自分の能力を活かす事で他との差別化をはかる事が出来るし、経験や実績が蓄積されれば将来に渡ってお金を生む能力ともなり得る。
個人でお金を生む力は、サラリーマンとして雇用される事が生涯にわたって保証されるわけではない現代においては持っておいた方が良いだろう。
将来フリーランスを目指すなら、今のうちからどういった仕事に需要があるのかもチェックしておこう。
