今の時代は個人でも広告収入だけで生きていける時代になっている。ネットで集客が出来るようになれば、ブログにしろ、YouTubeにしろ、アクセス数に比例して広告収入が入る仕組みが整ってきているからだ。
ただ、広告収入を得ていく上では常に「お金」、「自由」、「好き」の3つを天秤にかけなければならない。これからネット広告で収入を上げたいと思っている人は、環境が変化する度に自分の進むべき道をしっかりと確認した方が良いだろう。
この記事では
▶ 個人が広告収入で生きていく時代
▶ ネットで集客が出来るようになって起こったこと
から
▶ ネット広告を得る過程では常に「お金」「自由」「好き」の3つを天秤にかける
といった現状まで詳しく紹介していきたいと思う。
個人が広告収入で生きていく時代
最近アフィリエイトを始める人も増え、世間にも抵抗が無くなっているように思える。今までアフィリエイトで稼ぐというのは都市伝説のように思われていた。しかし、実際にそれだけで食べている人が目に見える形で出てきたのも大きいだろう。
時間や場所にある程度の自由があり、やりたい事の幅が広がっているのは好ましいことである。
増えるYouTuberの収入
シンガポールYouTubeフェスタにおけるヒカキンのパフォーマンス(www.flickr.comより)
ネットを使いこうした自由な、好きなことを仕事をしたいと思う人が増えたのは、発信力が強いYouTuberの存在も大きかったように思える。有名YouTuberである「ヒカキン」はYouTubeからの収入3000万円に企業CMが加わり、2013年の推定年収が5000万円とも言われ、2014年は1億円を越えたとも言われている。年収1億円越えは難しくとも、月収数百万円や数十万円レベルのYouTuberはゴロゴロ現れており、自分でも出来そうだと思った人もいるだろう。
「好きなことで生きていく」というCMのプロモーションで追い込みをかけ、ヒカキンが設立し、執行役員も務める株式会社UUUMが1000人のYouTuberを募集したことも話題となった。
HIKAKINさんをはじめ、人気YouTuberが所属する、YouTuber専門マネジメントプロダクションのUUUMが、新たなYouTuberの発掘・支援を目的とした「UUUM ネットワーク」を立ち上げた。
12月16日(火)より、同ネットワーク上で支援するYouTuberを最大1,000名まで募集。審査を通過すると、同ネットワークに参加できる。
応募はYouTubeチャンネルを持っていて、動画を投稿している方なら、プロ・アマ問わず誰でも可能。審査は「動画再生数」「チャンネル登録数」「コンテンツ内容」などを基準にするという。
UUUMは去年の9月にITの勝ち組が集まる六本木ヒルズの34階に事務所を移転している。
10代、20代の若者がこうした現状を生で見てどう思うだろうか?
「YouTuberとして成功すれば勝ち組になれる!」
自分がもしこの年齢だったら、YouTuberという道も考えたかもしれない。六本木という街も、いるだけで自分が特別な者だと勘違いさせてしまう魔力がある。
YouTuberの実情
ただ、こうした勝ち組YouTuberに隠れて、底辺YouTuberが多く輩出されているのも事実である。
UUUMの1000人YouTuber計画、審査は「動画再生数」「チャンネル登録数」「などを基準にするとされた。本日1月22日には次々と合格者が名乗りでている。しかし、投稿動画も殆ど無く、チャンネル登録者数4人の人も合格しているのが判明した。
世間に顔も晒して活動することは、実名がバレたり、プライベートもある程度は晒していかなければならないリスクもある。UUUMに合格して、動画投稿のやる気も出たと言ってる人もいる。しかし、そのまま動画投稿を止め普通の人が進む道の方が良かった人も多いのではないだろうか?
ネットで集客が出来るようになって起こったこと
何のツテもなく、ネット広告で収入を上げていくようになるには、とにかく人を呼び込まなければならない。YouTubeからの収入が1再生あたり0.1円と言われるように、収入は再生数(訪問者数)に比例している。
トラフィックが集まれば、集めている場所、YouTubeであればチャンネル、ウェブサイトであればサイト運営者のオーナーはより力を持つようになる。こちらから企業に営業をかけることでスポンサー広告を得ることも出来るようになるだろうし、企業から広告の依頼が来る場合もある。
バンコク・サイアムの交通渋滞
自分の場合も有難いことに、タイの旅行代理店やアフィリエイト塾、セミナー関係の依頼が来ている。お金儲けをしたい場合、後者は非常に魅力的だ。
セミナー業、塾業というのは非常に儲かる。以前販売した電子書籍は販売して3ヶ月連続で月10万円以上のロイヤリティとなったし、アフィリエイト関連のノウハウの記事は検索から多くのトラフィックを集めている。
こんな自分がもし「必ず月50万円を稼がせるアフィリエイト塾!」を販売し、数百万円を使ってプロモーションをかけたとする。1人30万円でも、おそらく100人は集まると思う(やらないけど)。広告費をかけなくとも、1年でいくつかは売れるだろう。
1人30万円というのは、年間30人に販売するだけでも年商900万円になる事を意味する。400人集めれば1.2億円だ。1年365日の間に400人ならそこまで難しくはないだろう。手数料で半分が持って行かれても、年収6000万円だ。与沢翼が簡単にお金持ちになれた理由もわかるはずだ。
リスク(コスト)もほぼプロモーション費用だけであり、数百万円かければかなりの人の目に触れることが出来る。10人集まれば300万円の売上で、こうした費用も十分にまかなえる。赤字になることもほぼない。加えて、運営サイトや電子書籍もあるので、名前を売るだけでもある程度のコストは回収できるだろう。要は、やることに関してはリスクはなく、機会損失の方が大きいように思える。
ネット広告を得る過程では常に「お金」「自由」「好き」の3つを天秤にかける
ただ、自分は塾やセミナーなどの依頼をはじめ、こうした甘いお誘いは断っているし、今後もそういった道に行くことは考えていない。もし、将来そうした道に進むとすれば、アフィリエイトを始めた当初の目的から離れ、何らかの理由(予期しない借金など)で「お金」、「自由」、「好き」の中でも「お金」の優先順位が高くなった時だと思う。
冒頭でも述べたとおり、自分がアフィリエイトを始めたのは「お金」よりも「自由」、「好き」を優先したからだ。
確かに、当初フリーターだった自分は、働くということに対して、お金以外の見返りを求めておらず、好き嫌いよりも給料の額を優先していた。結果として将来に対する希望を全く持つことが出来なくなってしまった。
多くの人はわかっている事実として、一度新卒採用からのサラリーマンの道から外れてしまうと、キャリアに対する社会からの信用というものが日本では無くなってしまう。
自分もサラリーマンといった通常の方法で給料を伸ばす道というのがどんどん遠のいて行った。今考えても、人並みに稼ぐ事を捨てて、「自由」や「好き」を基準とする稼ぎ方を模索するようになるしか無かったように思える。
YouTuber、好きがお金へ
ヒカキンは好きなことで生きていく事を目標にYouTubeでBEAT BOXの動画を投稿していったと思う。
今から7年以上前の2007年のヒカキン。当時はスーパーで働いていたそうだ。
その時は本当に将来のことは見えていなかっただろう。出資した会社が六本木にオフィスを構えるなんて夢にも思わなかったはずだ。ヒカキンに関しては、アンチも非常に多くて、彼を嫌う大きな理由が稼いでる金額であることは間違いないと思う。
UUUMの1000人YouTuber計画
上のUUUM1000人YouTuber計画に関しては、自分が推測するに「自由」、「好き」を抑えて、YouTubeへの感謝と間接的に自分の利益になる、要は「お金」になるから始めた部分が大きいと思う。ヒカキンが注目された理由も、YouTubeが動画のトップページにマリオのBEAT BOXをピックアップした事が非常に大きく、彼はYouTubeしいては親会社のGoogleには感謝しているに違いないからだ。
ヒカキンが世界でブレイクするきっかけとなる動画
YouTubeの発展のため、自身の収益を増やすため、YouTubeのトラフィックを増やす客寄せパンダを更に増やす必要性があった。1000人YouTuber計画に合格した人の中には六本木にあるオフィスに通うだけで満足し、自分を何か特別な存在と勘違いする人も出てくると思う。
10代、20代の感受性の高い若者にとっては当然の事で、それが六本木ヒルズ34階に引っ越したUUUMの狙いでもある。彼らは時給わずか数円、下手すれば1円以下で客寄せパンダの役目を果たさなければならなくなる。
広告収入で生きていく過程で何を重視すべきか?
UUUMの1000人YouTuber計画に対する人気YouTuberシバター氏の意見も面白い。
上記動画の内容を簡単に説明すると、「UUUMに入る事に何の利益も無い」とのことだ。
理由として
・収益の20%を持ってかれる
・UUUMから提供される音楽サービスもYouTubeやニコニコ等にいくらでもある
・所属YouTuber向けセミナーも、人気YouTuberとの交流も、ステマ広告案件も底辺YouTuberには関係の無い話
以上の3つをあげている。
シバター氏に関しては賛否両論あるが、彼とヒカキンが進んで来た道を比べてみると異なった方向性に向かっているのがはっきりとわかる。彼も「お金」を儲けるためにこの道へ進み、炎上芸を行なっているのは間違いない。しかし、「自由」、「好き」を今以上に制限するような金儲けはしたくないようだ。
この動画でも述べられているように、人気YouTuberになってから吉本興業など様々な芸能プロダクションからの誘いを受けたそうだ。しかし、シバター氏は全て断っている。断っている理由は、それによって仕事の「自由」や「好き」に制限がかるのを嫌がっているのだろう。この点に関しては、自分も共通する部分がある。
スーパーのバイトを辞めても食べていけるようになったヒカキンも、常に「お金」、「自由」、「好き」の3つを天秤にかけながら、ここまで進んで来たことは間違いない。YouTubeを始めた当初は金なんか人並みに稼げて、好きなことで生きていければそれで満足だったはずだ。
勘違いする人も出てくると思うので説明すると、自分はヒカキンの事を嫌いではないし、嫌いな人は動画を見なければ良いと思っている。それにヒカキンがお金を優先する活動することに対して全く悪いことではないと思っている。大人の世界というのは様々な理由があって、自分の推測できない部分でヒカキンなりの事情ももちろんあるだろう。
ただ、これからネット広告で収入を上げたいと思っている人は、環境が変化する度に自分の進むべき道をしっかりと確認した方が良いと思う。
自分が本当に何を優先し、どう生きたいかはしっかりと認識しておかなければならない。犯罪では無いにしろ、こうした過程で必ず汚い事もしなければならなくなってくる。大人(回り)に流され、自分を見失い、収入、お金が無くなった時には悲劇が訪れる。何も残っていない空っぽの状態の人間になってしまっているだろう。