お金を稼ぐには金銭的なリソースもしくは労力的なリソースを注がなければならない。
金銭的なリソースの多い人なら、お金からお金を生み出す広い意味での投資により、労力の提供しなくとも、生活していけるだけのお金を得られるだろう。
金銭的なリソースの少ない人は労力の提供により、お金を稼がなければ生活できない。現状、多くの人は労力の提供によって、生活に必要なお金を稼いでいる。
海外で稼ぎたい場合も金銭もしくは労力的なリソースを注がなければならない。海外で稼ぐのは一見敷居が高いように思える。しかし、一般人でも様々な選択肢があり、経済成長する発展途上国では日本人の方が有利なのは知っておくべきだ。
この記事では
▶ 海外投資でお金を稼ぐ方法
▶ 労力を使った海外におけるお金の稼ぎ方
から
▶ 日本人こそ、海外で稼ぐべき理由
まで詳しく述べていきたいと思う。
海外投資でお金を稼ぐ方法
証券口座を持っている人がすぐにでもできる海外でのお金稼ぎとしては、証券会社を通した金融商品への投資がある。
また、海外現地企業へ株式市場を通さず直接出資、起業することにより、キャピタルゲインや配当を得る方法もある。
証券会社を通した金融商品への投資
証券口座を持っている人がすぐにでもできる海外でのお金稼ぎとしては金融商品への投資がある。証券会社では海外の株式、通貨、債券、海外資産へ投資する投資信託などを日本円でも購入できる。購入、支払方法が日本円というだけであり、配当や利益が日本円でも現地価格に連動しているため、海外で稼ぐ手段と言える。
日本の証券会社で外国株式を購入する場合、1注文(1銘柄)ごとに手数料を取られる。手数料には取引手数料と為替コストがある。この1注文ごとの手数料は国内株式に比べると高くなる。
投資信託の場合、多くの証券会社では100円から1円単位での購入ができる。購入手数料が無料の投資信託も多い。これは海外資産へ投資する投資信託も同様である。初心者の場合、投資信託の方が買いやすいだろう。
外国株式
投資したい外国企業がある人が個別株を購入するのは否定しない。しかし、日本の証券会社において外国株の購入は手数料がまだまだ高い。
最近になり、米国株の手数料はSBI証券、楽天証券、マネックス証券において一律0.45%(税抜)、最高20ドル(税抜)まで下がった。しかし、新興国の株式は未だに少額での投資ほど手数料が高くなっている。たとえば、SBI証券におけるタイ株式の購入では手数料が1%(税抜)、最低手数料が761バーツ(税抜、約2760円)なので、1注文に対し約27.6万円以上購入しなければ1%の取引とならない(site2.sbisec.co.jpより)。
また、1注文に対してこの手数料を取られるため、短期で複数回買い付けしたり、積立など小額に分けて購入すると大きな負担になるだろう。現状、日本の証券会社から、米国以外の株式に投資するのはあまりおすすめできない。
おすすめの投資信託
投資信託の場合、多くの証券会社で100円以上から1円単位での購入ができる。つまり、投資信託なら、「海外で稼ぐ」をわずか100円で実現可能なのだ。また、最近はノーロード(No-load)と呼ばれる購入時手数料が無料の投資信託も多い。ノーロードファンドなら手数料は信託報酬のみで、1年で0.1%を切るものもある。
たとえば、100万円の投資信託を保有し、1年後も同じ評価額、信託報酬が0.1%(税込み0.11%)なら
100万円の0.11%=1100円
になる。
しかし、楽天証券で投資信託の購入をすると1%還元を受けれる。信託報酬が税込年0.1%なら、信託報酬の10年分にあたる。つまり、保有年数が10年以下なら、購入時には払う手数料よりも受ける還元の方が高くなるのだ。楽天証券で投資信託を買えばこうした信託報酬による負担も実質抑えられるだろう。

投資信託は株式だけでなく、株式、債券、リート(不動産)およびそれらのバランスと地域や市場で選べる。また、投資信託を構成する金融商品はプロが常時監視しており、パフォーマンスによって、保有する株式や金融商品の入れ替えも勝手にしてくれる。リスクの点では個別株を買うよりも低くなるだろう。
人気投資信託としては
がある。楽天バンガードファンドは米国株式市場へ広く投資する投資信託になる。楽天バンガードファンドについて詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

信託報酬の安さで選ぶなら
・eMAXISSlim(三菱UFJ国際投信株式会社)
・iFree(大和証券株式会社)
以上2つのシリーズも有名である。株式、債券、リート(不動産)およびそれらのバランスと地域や市場で選べる。主に米国のIT企業で構成される「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の信託報酬は税込みでわずか0.1023%である(2020年現在)。
初心者は証券口座の投資信託から「iFree」「eMAXISSlim」で検索し、気に入った投資先を選べばよいかと思う。
また、楽天証券なら、楽天ポイントによる購入もできる。楽天ポイントはもっとも貯まりやすいポイントと言っても過言ではない。ちょっとした余剰資金を使い、海外で稼ぎたい人におすすめの証券口座である。
楽天ポイントによる投資信託購入履歴
海外で起業、海外企業へ出資する
多くの国では、外国人だけで会社の過半数(51%)以上の株式を保有するのを認めていない。また、外国人を雇用する際の制限があったり、会社設立後の営業ライセンスの取得で余計な費用・手間を求められたりする。何の知識も無い人が初期費用だけでかなりの額を請求されるケースは多々ある。単純にキャピタルゲインや配当収入だけを目的とした会社設立も難しいだろう。営業を続ける上で、ある程度の知識や専門家の協力が必要な点も否定はしない。
しかし、発展途上国では、ペーパー上の会社設立だけなら日本以下の価格でできる。また、発展途上国なら人件費や土地代(オフィス代)が抑えられるため、同じ規模なら日本以上にランニングコストは抑えられる。手間や知識は必要であるものの、金銭的なリスクだけなら、日本以上に抑えるのも十分に可能である。
海外起業では通常、金銭的なリソースと労力的なリソースを注ぎ、事業を育てていく。失敗する(0になる)リスクはもちろんあるものの、起業は労力を資産に変える手段となる。証券会社を通して上場する金融商品を買うより、伸びしろはあるだろう。
日本人は今ならまだ、金銭的なリソース量で世界的に見ても有利な立ち位置にいる。日本人ほど、直接投資により、稼ぎの一部を海外であげる方向性へ向かうべきだ。
労力を使った海外におけるお金の稼ぎ方
金銭的なリソースを十分に持たない人は、労務の提供をしなければ生活できるだけの十分な額を稼げない。外国人でも、労働許可証(ワークパーミット)があれば、労務の提供により現地でお金稼ぎができる。
また、日本にいながら労力的なリソースを注ぎ、実質的に海外で稼ぐこともできる。
現地で就労する
現地で就労するには長期滞在のためのビザや労働許可証(ワークパーミット)が一般的に必要とされる。
就労の方法としては就職が一般的である。就職では初期費用もかからず、お金を稼ぐまでの手続きでは苦労しない。仕事も給料も用意されているからだ。就職には駐在員や現地採用と呼ばれるパターンがある。日本で雇用され、現地へと派遣されるのが駐在員で、現地で就職活動をし、現地企業に採用されるのが現地採用である。
駐在員は特別な手当てがでるため、現地でもかなり豊かに暮らせる。ただし、日本への帰国を前提としている。
現地採用は、現地と同水準の給与体系になる。発展途上国では生活水準を落とさなければ暮らせないケースもある。ただし、発展途上国の現地採用でも日本語が使える時点で、日本もしくは日本人相手に稼げる。そのため完全な現地向けのビジネスよりは一般的に給与は高い(一部の業界を除き、外国人雇用に対して、現地人以上の高い給与を必須とする国もある)。
海外で働きたい人は下記記事も参考に。

発展途上国では、日本語が話せるだけで、現地の人よりもお金を稼げる立場にあるのだ。
日本にいながら海外で稼ぐ方法
日本の商品やサービスを海外に販売すれば、実質的には海外で稼いでることになるだろう。商品輸出にしても、決済を外貨で行うケースはあるし、日本円決済でも購入者は海外の顧客である。また、サービス、ウェブ上やアプリでの有料課金も海外で稼ぐ手段になるだろう。
たとえば、世界一の金持ち国と呼ばれるルクセンブルグ人向けに日本を紹介するウェブサイトを作ったとする。ルクセンブルグは広告の単価も世界一なので、十分なアクセスが得られれば、ルクセンブルグの水準で広告収入を得られる。Google AdSenseでは日本円で報酬が表示されるものの、水準はルクセンブルグ並に得られるだろう。
日本に住んでいても外国人向けのウェブサイトを運営し、広告収入を得られるなら、海外で稼いでるのと同じである。
日本人こそ、海外で稼ぐべき理由
日本の各世帯が保有する金融資産の合計額は2018年9月末時点では前年比2.2%増の1859兆円となっている(家計金融資産とは 日本、現預金の比率が5割以上 :日本経済新聞より)。欧米に比べ、日本は現金(日本円)比率が5割超と極端に高く、投資で稼ごうとする個人が少ない。
現在、世界の個人金融資産224兆ドルのうち日本は15兆ドル、アメリカは70兆ドル、中国は32兆ドルになっている(世界の個人金融資産、20年に224兆ドル 米民間調査 :日本経済新聞)。
世界において日本の個人金融資産が占める割合は約6.7%、日本のGDPが世界で占める割合は約5.9%なので、個人金融資産の方が世界で占める割合は多い。GDPで占める割合に対して、中国の個人金融資産が少ないのは外国資本で達成した経済成長という側面もあるだろう。日本と人口が10倍以上の中国は個人金融資産で見ると2倍程度の差しか付いていない。
今ある資本が世界に流れていけば、世界の経済成長と一緒に個人金融資産を増やしていき、日本人の個人金融資産が世界で占める割合を増やしていけるかもしれない。労働力人口が減少し、経済成長が見込めない今の日本で日本円のまま所有し、金銭的なリソースを海外に注がなければ、世界で日本人が占める富の割合は減少していくだろう。
もちろん、投資にはリスクがあり、必ず資産を増やせるという補償はない。したがって、個人的にはすべてのリソースではなく、一部のリソースを海外へと注ぐ形で良いと思う。
また、金銭的なリソースを注げない人も、ただの海外旅行から、現地の人脈を積極的に作る「拠点づくり」から始めれば良いだろう。海外でのビジネスやお金稼ぎでは金銭的なリソースを抑えるために、人脈や情報が必要になるからだ。
日本人は発展途上国よりも金銭的、および労力的なリソースから生じる金銭が多い有利な立場にある。発展途上国における広い意味での投資なら、現状は現地人より日本人の方が選択肢が多く、有利な立場にいるのは間違いない。