東京都品川区議会議員の國場(くにば)雄大は長い間ニコニコ生放送という配信サイトで活動している。いわゆる生主(生放送している人)で、配信で使っていたニックネームが「NER」である。
NERの名前は國場(くにば)雄大本人が付けた名前である。
NERはボーカロイドの鏡音レンから付けた名前。LEN(NEL)だと同名の方がいたので“REN”にして逆さ読みでNER。
くにば雄大という名前は品川区議候補として知った人もいるかと思う。ニコ生での活動からNHKから国民を守る党の公認候補として立候補してる。
彼のすごさはニコ生で活動していた時代に残してきた数々の伝説的な配信やプライベート情報抜きには語れない。
区議会議員に立候補するまではいわゆる「配信業」で生計を立てており、収入源としてはニコニコチャンネル月額会費や配信サイト「ふわっち」からお布施、イベント出演料などがあった。
この記事ではNERもしくは品川区議会員に見事当選したくにば雄大に興味を持った人に向け
▶ 國場(くにば)雄大のすごい経歴
▶ NERがニコ生で行う配信内容
から
▶ 好きな事で、生きて行くNER
まで彼の「すごさ」について、ニコ生で配信していた当初からファンである自分が品川区議員として旅立つ前に詳しくまとめていきたいと思う。
國場(くにば)雄大のすごい経歴
國場(くにば)雄大は1977年(昭和52年)3月5日生まれ、2019年4月現在は42歳になる。魚座のAB型。身長は181cm、勃○時のちん長は13.5cmと公表している。
出身地は東京で、母親は「仲宗根美樹」という芸名で活動している有名な歌手である。彼女は5回の紅白出場経験もあり、現在は銀座でクラブのママをしている。 彼女が沖縄出身で、顔の濃さは母親から受け継いでいる。
仲宗根美樹。本名は國場勝子
NERは慶應義塾大学中退という経歴を持っている。彼が本格的に勉強をスタートしたのは小学生6年生の頃である。週4日の塾、残り3日を家庭教師を雇って勉強し、慶應義塾中等部に合格する。慶應義塾中等部から高等部へ進み、高校1年の時に1年留年する。4年で高校を卒業し、そのままエスカレーター式で慶應義塾大学文学部へと進学する。
大学時代はイベントサークルを主催し、サークル活動に精を出し過ぎたため大学は10日のみしか出席せず2年で中退する。その後イベントサークルから派生した学生ビジネスで失敗し、120万円の借金を抱える。バイトの掛け持ちや会社員、さらには俳優等を経験し、25歳で1度目の自己破産をする。
自己破産がきっかけで、7年間実家に住み着くニートとなる。ニート時代はモーニング娘にハマり、ヲタ活動に専念していた。32歳で再びアルバイトを始める。このフリーターとして働き始めた2009年7月に「NER」としてニコ生での配信活動をスタートさせた。
当時はフリーターのニコ生配信者として人気を集めていた。アーレフ(地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の後進団体)本部が入居するマンションへ酔った勢いて侵入するなど、過激な外配信が中心だった。
アーレフの本部があるマンションで生放送をしながら向かう放送(www.nicovideo.jp)
34歳の時にオークション代行会社と身元整理のサービス会社を国の起業支援制度を利用して立ち上げる。フリーターから経営者(代表取締役)になる。ニコ生を見ている視聴者には会社を設立していたことは黙っており、会社経営中もずっとアルバイトをしている(フリーター)と言っていた。
上記動画は実は会社社長だったという発表と、現在の悲惨な会社の運営状況について楽観的に語っている。(www.nicovideo.jp)
オークション代行という事業では儲からず、初めは何人かの従業員を雇うが赤字は膨らみ1人で発送作業を行うようになった。会社は続ければ続けるほど赤字となったので、休眠状態にして再びアルバイトを始める。この時すでに、NER個人で負っている借金は1年足らずで1000万円以上となっていた。
生活費の捻出も厳しくなり家賃も払えなくなったことから家を追い出される。東京の千歳烏山にあるマンションを出た後は葛飾区立石にあるニコ生配信者専用住居「生主ハウス」でフリーター生活を始める。借金に関する様々な督促状を無視しながら、ニコ生の視聴者に紹介されたビルの清掃アルバイトで生計を立てていた。
その後、「配信では稼がない」という当初の考えを変え、ニコニコ生放送で会員制のユーザーチャンネルを開設、アルバイトではなく、ユーザーからの会員費で生計を立てるようになった。女性配信者「ゆかちー」と埼玉県川口市で同棲を始め、「ふわっち」でのお布施配信やニコ生公式イベントの出演料でも収入を得るようになる。
1000万円を超える借金は返すことを諦め、2017年12月、人生で2度目の自己破産をする。
2018年10月、NHKから国民を守る党公認で品川区議会議員への立候補を表明する。ニコ生配信者では元AV男優のくぼた学こと横山緑がすでに同じ党の立川市議会議員になっており、くぼた学の時と比べるとそこまで話題にはならなかった。

2018年12月9日に女性配信者ゆかちーとのできちゃった結婚を発表。ゆかちーとは破局したとの憶測があったため、この発表に対しては驚きの声が多かった。
あらためまして!
昨日発表させて頂きました通り、ゆかちー。(@yukanight)との間に子供が出来ました。
現在妊娠7週目。年明けに入籍します。
お互い配信歴9年の配信者同士です。
今後とも応援宜しくお願いします! pic.twitter.com/WNOhiHbQPi
— NER (@NER2525) December 10, 2018
翌2019年1月1日に入籍した。
先ほど婚姻届を提出して、入籍しました。
2019年1月1日、國場ゆかちー。の誕生です。 pic.twitter.com/cHOS1WEaPa
— NER (@NER2525) January 1, 2019
そして、2019年4月21日、品川区議会議員選挙が行われ、2532票を獲得、見事当選を果たす。
当選証書を受け取って来ました!
これにて品川区議会議員くにば雄大となりました。
憧れていた議員バッジが感慨深いです。
投票して下さった2532人の方々のみならず、品川区民の方に投票を呼び掛けて下さった皆様、Twitter等で応援し続けて下さった方々、本当にありがとうございました! pic.twitter.com/eoPb0JQNVv— くにば雄大(品川区議会議員)@NHKから国民を守る党 (@yuta_kuniba) April 22, 2019
國場(くにば)雄大のお兄さん「國場一成」氏について
NERは本名や自宅はもちろん、学生時代や母親のことなど、プライベートを晒しながら配信をしていた。しかし、病気で亡くなったお兄さんのことについては中々話そうとしなかった。
近年になり、こうした兄の情報についても「少しずつ解禁していく」という言葉や「ギャル系雑誌S-cawaiiの編集長だった」という話も放送中に出てきた。苗字は國場なので、もしやと思い「國場 S-cawaii」で検索したところ、お兄さんの闘病生活を綴るブログが出てきた。
SPIRIT☆JOURNEY(NERさんから公開リンクの許可をいただいてます)
体調を崩し、診断を受けた時には肺がんの末期で余命を宣告されたとのことである。このブログは余命宣告されてから開設し、亡くなるまでの間の記事が綴られている。闘病中も必死に楽しく生きようとする姿に心打たれるものがあった。
このブログの中では弟NER(くにば雄大)にも触れている。
夢に挫折し、心の傷を負ったままそこから立ち直ることができず、実家にひきこもる弟。
弟は、親への負担を考え、ついに7年間のひきこもりから脱出して、ようやく働き始めて一人暮らしをはじめました。
NERは一度目の自己破産で7年間のニート生活を送っている。この生活を脱出するきっかけとなったのは兄の病気だったかもしれない。NERのお兄さんについては、気になっている人も多いので、詳しくは上記ブログを見てもらえばと思う。亡くなる前には浜崎あゆみや安室奈美恵もお見舞いへ来たとのことだ。
ちなみに、NERの母親は何度か離婚しており、お兄さんの父親とNERの父親は違う人物である。NERの血が繋がった父親は2度目に再婚した元司法書士「白橋栄治」氏である。
白橋栄治氏(www.mynewsjapan.comより)
NERがニコ生で行う配信内容
NERの放送は基本的に雑談と呼ばれるラジオのような放送をしている。近況の話から、アニメや声優、アイドルの話の他、ゴシップ記事やニュースになってる話題について話して行く。2018年10月以降は品川区議会議員へと立候補したため、政治活動、選挙活動にかんする報告が多かった。
基本はカメラをつけて話をしているだけである。しかし、この雑談が面白い。お兄さんと知り合いだったというSPAの編集長との会話から、SPAという雑誌が紙面雑誌で唯一発行数が伸びていることもNERから聞いた話である。
雑談以外には外配信と言って、ノートパソコンでニコ生の配信しながら近所を歩いたりもする。たまに、生放送を見ているリスナーが警察へ虚偽通報をしたりして職務質問を受けたり、入った居酒屋、レストランに通報を入れ店員を使って店から追い出そうしたり、トラブル的なことも多い。こういったトラブルもニコ生視聴者が望んでおり、期待されている部分は否定できない。
好きなことで、生きて行くNER
NERは放送すれば1万人以上を容易に集められるぐらいの集客力を持っていた。それに生放送分を動画としてニコ動やYouTubeに本人があげればそれなりに収益を得ることができただろう。1再生数あたりの報酬など、この辺に関してはニコニコ動画の投稿で稼ぎたい人が予め知っておくべきことの記事を参考に。
NERは元々こうしたアフィリエイトも含めネットで稼ぐことに関しては非常に消極的だった。それでもユーザーチャンネルへの参加、区議会議員への立候補を表明したのはアルバイト生活の辛さと将来における不安があったと思われる。フリーターで最後に経験した高層ビルの窓ふきのバイトは体力的にも辛かったらしく、放送でも度々弱音を吐いていた。また、将来における不安も大きかっただろう。
ニコニコユーザーチャンネルについて
NERはまずバイト以外の収益としてニコニコユーザーチャンネルの取得に前向きになり、第4弾の募集の際には参加の意向を表明した。
ニコニコユーザーチャンネル
ユーザー課金収益から、事務手数料14%及びこれに対する消費税額を控除した金額のうち83%をチャンネル提供者に分配。
運営は“振り込めない詐欺→振り込めます。”をキャッチコピーにユーザー(生放送主)への還元を謳っている。
月額課金を前提としているサービスである。
但し、無料コンテンツの配信や都度課金コンテンツの配信も可能。
ユーザーチャンネル開設にあたり、必ず最低1課金コンテンツを用意しなければならない。
ニコニコユーザーチャンネルとは、簡単に言うと、ニコ生主が設定した月額料金でユーザーが登録をすると、その約7割がニコ生主に振り込まれるというシステムである。1000円に設定し、1人が入会すれば約700円がニコ生主に振り込まれるという事になる。月額の料金徴収になるため、毎月収入を得ることが出来る。
NERが区議会議員に立候補した理由
チャネルユーザーになった後はネットで稼ぐことに積極的になり、ふわっちなどの投げ銭サイトでの活動もスタートさせた。

チャネルユーザーや投げ銭による収入で生きていく、いわゆる「配信業」で生活をしていた。
NERが区議会議員に立候補した理由は元AV男優で同じNHKから国民を守る党に属する横山緑(くぼた学)の影響が大きいと思う。横山緑も、もともとニコ生の配信者であり、配信業で生計を立てていた。NERとは長い付き合いで、何度か一緒に配信もしている。くぼた学は2018年6月、立川市議選にNHKから国民を守る党公認で立候補し、見事、市議会議員に当選していた。
NERの年代になると、将来への不安というものが常に出てくるだろう。収入は一向に増えないアルバイトの身、レールを外れ平均並み人生を送るのも難しい。経済成長が止まったこの日本では一方で利益が増えれば、他方では利益が減ってしまうという流れは変わらないだろう。公平性が失われた中でこうした収入の二分化が起きれば、当然の事ながら給料が低くても良いから好きなことをしたいという考えも生まれて来るはずだ。
アラフォーで普通の道に戻るということは現実的ではない。道を広げて「好きなことで、生きて行く」ことを考えるのは必然だ。何者にもなれないという20代後半から50代前半ぐらいまでのレールに外れた人で、こういったフラストレーションを抱えている人は決して少なく無いと思う。NERの場合、そこに配信業、政治家という生き方がはまったのだ。理想を目指し、あえて普通の道を外れていく中年の星「NER」。区議会議員に当選し、ニコ生から旅立ってしまった後も、彼はすごいことをやってくれるはずだ。
NERも通ってきた動画投稿、配信業という新しい生き方について詳しく知りたい人は下記記事を参考に。
