人は逃げ道が無いと感じた時、命を絶つと言われている。日本では会社員が一度レールを外れると、以前のポジションまで回復するのが難しくなる。日本における労働市場の流動性の低さは人を自殺に追い詰める一因になっている。
いくらポジションの回復が難しくとも、命を絶つぐらいなら会社を辞め、環境を変えれば良いというのは正論である。しかし、自殺に至るまで自分自身を追い詰めてしまう人は通常、正常な判断ができなくなっている。したがって、正常な判断が出来なくなってしまう前に、逃げ道を明確に、具体的に作っておくことの方が大事かと思う。
逃げ道が「会社を辞める」といった最初の手続きだけでは、いざ追い詰められた時も、将来に対する不安の方が大きくなってしまう。会社を辞めてからを含め、順序立てて具体的に決め、できれば辞める前に作っておいた方が良いだろう。仕事を辞めたいと思うまで追い詰められた時のために、フルタイムの労働から離れることを考えておいても良いかと思う。要はセミリタイアするという考え方である。
たしかに、キャリアを考えれば、安易に会社を辞めるべきではない。それでもセミリタイアへの具体的な道筋だけ用意しておくのも悪く無いはずだ。セミリタイアへの具体的な道筋が見えれば、仕事が大変な時期が続いてもある程度余裕が生まれるし、将来に対する不安も少なくなる。もちろん、命を絶つといった最も誤った方向へ向かうケースも少なくなるだろう。
この記事では
▶ サラリーマンがセミリタイア生活へ入る前にすべきこと
から
▶ いざとなったらリタイア生活を送れば良いと思える安心感
まで、サラリーマンがセミリタイアへの道筋を用意しておくと、今の仕事へもポジティブな効果をもたらす具体的な理由を含め、述べていきたいと思う。
サラリーマンがセミリタイア生活へ入る前にすべきこと
サラリーマンを辞めて生じる変化は様々である。キャリアが途切れるという点を除けば、多くの人に共通するのは信用にかんすることかと思う。
サラリーマンを辞め、無職になると社会からの信用が無くなる。信用が無くなれば、その信用を利用して当たり前にできたことも、辞めたその瞬間にできなくなると考えた方が良い。
サラリーマンだからこそできることとしては
1.ローンを組む
2.クレジットカードを作る
3.家を借りる
などがある。
サラリーマンを長い間していた人なら、比較的高額のローンも可能だ。ローンで不動産を購入し、生活できるぐらいの家賃が安定的に入ってからセミリタイアする人もいる。いわゆるサラリーマン大家と呼ばれる人達である。
給与が高く、継続年数が長ければ長いほど借入できる額も増える。サラリーマンを辞める前にローンを利用しないのは機会損失と考える人も多いはずだ。事業を行うにしても、サラリーマンの信用を利用した方が稼ぎ方の幅は間違いなく広がる。成功した起業家の中にも、サラリーマンから独立した人は多い。
ローンを含めた借金の検討していなくとも、サラリーマンを辞める前には
1.家の引っ越し
2.クレジットカードの申請
3.カードローンや消費者金融の口座開設、借入枠の増額
はしておくべきかと思う。
特に、収入が無い状態になるなら、今よりも家賃の安いところへの引っ越しはしておくべきだろう。サラリーマンのうちであれば保証会社の審査に通らないケースもほとんどない。しかし、無職であれば借りられる家もかなり限定されてしまう。

たしかに、借り入れ枠が大きいと、収入が無い間は借金に頼ってしまいやすい。ただ、返せないぐらいの借金を抱えても、こうしたところからの借り入れなら自己破産という形で処理できる。収入の保証がない時に大きな事故や病気など大きな出費が必要になればそれだけで計画が崩れてしまう。この辺は意見が別れるとは思うが、個人的には借り入れ枠は増やすべきだと思う。
サラリーマンを辞めた瞬間あなたの信頼は地に落ちる。日本では家すらまともに借りれなくなるのが普通だ。
セミリタイアの準備をしておけば、辞めて後悔しないよう、辞める前にすべきことが見えてくるはずだ。
サラリーマン時代から副業しておくことの重要性
セミリタイアとは、完全にリタイアしないまでも、リタイアに近い生活を送ることを言う。一定の収入を得るために仕事はする。しかし、フルタイムでの労働ではなく、労働時間を抑えた生活を送る。
貯金が十分にある場合を除き、一般人がセミリタイア生活を実現、維持するには様々な障壁がある。最も大きい部分は資金的な問題だろう。
セミリタイア後の収入については、サラリーマンをしながら別で作っておくのが理想である。収入が無いうちに会社を辞めるとすれば、すぐに日雇い労働も覚悟しなければならない。つまり、待っているのはのんびりとした生活ができるセミリタイアではなく、サラリーマンよりも時給換算で割に合わない労働をする日々である。
もちろん日雇いバイトにもメリットはある。会社員で悩むであろう人間関係だったり、労働日時の拘束は少ない。柔軟性のある働き方を望んでいる人はサラリーマンの時よりも日雇いバイト生活の方が合うかもしれない。都内での日雇いなら現場を容易に変更できる。職場に嫌な人がいても人間関係の悩みは生まれないし、長期休みを取るのも簡単だ。
日雇いバイトについて詳しくは下記記事を参考に。

休みの日にでもサラリーマンが日雇いを経験しておけば、底辺と言うと失礼かもしれないが、最悪で「ここ」というのがわかる。人間辛い環境を過度に恐れる傾向があるので、一度経験すると大したことは無いと感じる。底が見えれば、現状も楽に考えられるはずだ。
副業で十分な収入がある人はアルバイトをする必要もない。会社を辞めても副業に集中すれば良いだけなので、いつでも辞めれる態度で仕事へ望める。
配置移動で課長の隣に配置された僕「ぴいぴいぴい;;」
課長「これからビシバシいくぞ!」
僕「はい;;」
課長「お前は今の頑張りでこれから先が決まるんだぞ」
僕「はいっ!わかりましたっ!」僕「でも定時なんで帰りまーす。おつかれっしたー」
課長「」— ☆←ヒトデ@はてなブログ (@hitodeblog) 2016年10月7日
サラリーマンとして貰える給料以外にも月100万円以上の収入があるヒトデ氏。ツイートにも普通の会社員より余裕が見られる。
収入が無いうちに会社を辞めれば、日雇いの覚悟は必要となる。日雇いバイトを避けたいなら、会社から貰える給料以外にも、ある程度の副収入を予め作っておくのが理想である。
いざとなったらリタイア生活を送れば良いと思える安心感
収入が十分に無いままセミリタイア生活を目指すとなれば、貯金があってもいずれは働かなければならない。それでも辞めた先が明確に見えている人は、自ら命を絶つ必要も無くなる。逃げ道を用意しておけば、大きなストレスを受けた時も、気持ち的に良い意味で吹っ切れる。いつでも辞めれて怖いもの知らずの状態になれば、結果として、ある程度のストレスも避けれるだろう。
サラリーマンという責任の重い立場に疲れたなら、責任の少ないセミリタイアという生き方もできる。責任感の強い人ほど、他人へ迷惑をかける事を恐れ、結果的に自分を追い詰めてしまう。これだけは避けなければならない。
嫌になったら辞めれば良い。無職、リタイア生活に入れば良いと吹っ切れているサラリーマンほど、よりストレスが少なく今の仕事に取り組めるようになるはずだ。
