NISA口座では多くの証券会社で国内株式の取引手数料が無料になっている。NISA口座で国内株式のみを購入するなら、どこの証券会社を利用してもそこまでの違いはない。
SBI証券は外国株式や海外ETFなどの購入で他の証券会社よりも優位性がある。これはNISA口座においても変わらない。外国株式、海外ETFには最近の人気の米国株、米国ETFも含まれる。これらへの投資を考えている人はSBI証券のNISA口座を利用すべきだ。
また、投資信託を保有すると、月間平均保有額に応じてTポイントが貯まる。ただ、投資信託を運用したいなら楽天証券の方が良いだろう。
この記事では
▶ SBI証券で外国株式、海外ETFがもっとも低コストで買える理由
▶ SBI証券のNISA口座で受けれる還元
から
▶ SBI証券のNISA口座を最大限に生かす使い方
を中心に詳しく述べていきたいと思う。
投資信託を中心に投資を行いたいなら楽天証券のNISA口座を開設すべきだ。楽天証券のNISA口座について詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

SBI証券で外国株式、海外ETFがもっとも低コストで買える理由
NISA口座では利益に税金がかからない。また、国内株式の取引手数料は多くの証券会社で無料になっている。(一般)NISA口座では外国株式、海外ETFを購入できる。
SBI証券が他の証券会社のNISA口座よりも優れているのは外国株式、海外ETFの取引手数料、為替コストの安さである。
外国株式、海外ETFの購入・保有・売却にかかる手数料には
1.取引(売買)手数料
2.為替コスト
がある。
海外ETFは取引手数料、、為替コストに加えて
3.総経費率(エクスペンスレシオ)
がかかる。
総経費率は1年間でかかる経費の総額であり、毎日少しずつ回収される。投資信託の信託報酬と似た性質のものである。総経費率は証券会社ごとに違いはない。したがって、この手数料については証券会社での比較対象に使わない。
下記では外国株式、海外ETFにおけるSBI証券の「取引(売買)手数料」「為替コスト」が他の証券会社よりも安くなる理由について詳しく述べていく。
取引手数料
外国株や海外ETFでは取引(売買)手数料がかかる。取引手数料は国によって異なっており、それぞれ最低手数料が設定されている。米国株式と中国株式は最大手数料も設定されている。したがって、一定金額を越えると、手数料が一定になり、手数料の割合は低くなる。
SBI証券で取り扱いのある株式と1回の約定代金に対する手数料をまとめると下記のようになる。
手数料(約定代金に対する割合) | 最低手数料 | 最高手数料 | |
---|---|---|---|
米国株式(ETF) | 0.495%(税込) | 0ドル | 22ドル(税込) |
中国株式(ETF) | 0.286%(税込) | 51.7香港ドル(税込) | 517香港ドル(税込) |
韓国株式(ETF) | 0.99%(税込) | 9900ウォン(税込) | 手数料上限無し |
ロシア株式 | 1.32%(税込) | 550ルーブル(税込) | 手数料上限無し |
ベトナム株式 | 2.2%(税込) | 132万ドン(税込) | 手数料上限無し |
インドネシア株式 | 1.1%(税込) | 26.18万ルピア(税込) | 手数料上限無し |
シンガポール株式(ETF) | 1.1%(税込) | 30.8シンガポールドル(税込) | 手数料上限無し |
タイ株式 | 1.1%(税込) | 837.1バーツ(税込) | 手数料上限無し |
マレーシア株式 | 1.1%(税込) | 83.6リンギット(税込) | 手数料上限無し |
インターネット注文における税込の手数料(2020年10月現在。search.sbisec.co.jpより)。
インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア株では売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の税込55%が手数料となる。たとえば、タイ株の場合、837.1バーツは約2800円(2020年10月現在)。売却代金が837.1バーツに満たない場合、約定代金の55%(税込)が手数料となる。
海外ETFの買付手数料はNISA口座を利用すれば無料にできる。
楽天証券、マネックス証券のNISA口座は海外ETFの買付手数料を全額キャッシュバックにして実質無料にしている。
買付手数料が無料の一方で、NISA口座でもETF売却時には、米国ETFで税込0.495%、上限22ドルの売却手数料を取られる。売却手数料もSBI証券、楽天証券、マネックス証券で変わらない。
また、ETFは外国株式と同じ分類であり、「つみたてNISA口座」ではなく、通常の「(一般)NISA口座」でしか購入できない。NISA口座開設の際には注意しよう。
為替コスト
SBI証券へ入金した日本円で外国株式、海外ETFを購入する場合、外貨へと両替しなければならない。この両替でかかるコストが為替コストである。米ドルへの両替なら1ドルあたり25銭(0.25円)の為替コストがかかる。「SBI証券」だけでなく、「楽天証券」「マネックス証券」いずれも為替コストは25銭である。
住信SBIネット銀行でも米ドルの購入ができる。住信SBIネット銀行の為替コストは1ドルあたり4銭(0.04円)、頻繁に開催されているキャンペーン中なら0円になる。
2019年7月22日から9月27日まで行われたアメリカドルの買付手数料0円、全9通貨買付手数料無料キャンペーン(netbk.co.jpより)。
また、住信SBIネット銀行で買い付けた外貨はSBI証券へと入金し、それを元手に海外ETFの買付ができる。
SBI証券の外貨入金手続き。SBI証券ホームページの右上の「入出金・振替>外貨入金」で住信SBIネット銀行で購入した外貨をSBI証券へ移動できる。
たとえば、住信SBIネット銀行の買付手数料0円キャンペーン時にアメリカドルを購入し、NISA口座でバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を買えば、購入、保有における手数料は総経費率のみの年0.03%にまで抑えられる。
外貨の購入方法を含む、住信SBIネット銀行を賢く使いたい人は下記記事を参考に。

SBI証券において、外国株式、海外ETF、外国債券の購入を他の証券会社よりも安い手数料を抑えられるのは、この為替コストを抑えられる点が大きい。NISA口座を利用しなくても、外国株、海外ETF、外貨建MMF、外貨建債券の運用に興味のある人はSBI証券に口座開設をすべきだ。
>>> 【外国株式や海外ETF、外国債券の購入でおすすめ】SBI証券
SBI証券のNISA口座で受けれる還元
SBI証券ではTポイントによる還元制度がある。SBI証券では「国内株式の取引」「金・プラチナ・銀の買付」「投資信託の保有」でTポイントが貯まる。
Tポイントの還元率は
1.国内株式「取引手数料の1.1%」
2.金・プラチナ・銀「買付手数料の1%」
3.投資信託「月間平均保有金額の年利0%から0.2%」
となっている。
SBI証券のNISA口座では取引手数料が0になるため、国内株式の取引ではTポイントが貯まらない。また、NISA口座では金・プラチナ・銀の購入ができない。したがって、SBI証券のNISA口座では「投資信託の保有」のみ、Tポイントの還元を受けられる。
SBI証券で投資信託を保有すると受けれる還元
投資信託の月間平均保有金額に対し、Tポイントの還元が受けられる。これはNISA口座の投資信託も対象になっている。
受けれる還元率は投資信託によって異なり、
・通常銘柄:1000万円以下で年率0.1%、1000万円以上で年率0.2%
・指定銘柄Ⅰ:年率0.05%
・指定銘柄Ⅱ:年率0.03%
・指定銘柄Ⅲ:年率0.02%
・指定銘柄Ⅳ:年率0.01%
・投信マイレージの対象外商品:0%
にわかれている。Tポイントは毎月付与されるため、毎月付与時には上記パーセントの12分の1になる。投資信託ごとの還元率について詳しく知りたい人は下記ページを参考に。
0%還元、つまり、保有しても還元を受けれないのは
・MMF、中国F、MRF
・外貨建MMF
・ETF、REIT
・外国籍投資信託
・その他当社が定めた銘柄
となっている(2020年10月時点)。
SBI証券において「楽天バンガードファンド」は年率0.03%の還元、楽天証券では年率0.048%の還元となっている。また、楽天証券は投資信託の購入で1%還元を受けれる。
人気投資信託で常に上位にある楽天バンガードファンドについて詳しくは下記記事を参考に。

上記ではETFと投資信託どちらを購入すべきか?についても詳しく説明している。
楽天バンガードファンドと比較される「SBIバンガードS&P500」のSBI証券における還元率は0.02%となる。こちらはSBI証券では買える。しかし、楽天証券では買えず、購入できる証券会社が2020年10月現在は限られている。
SBIバンガードS&P500と楽天バンガードファンドの比較については下記記事を参考に。

SBI証券のNISA口座を最大限に生かす使い方
SBI証券のNISA口座は外国株式、海外ETF購入において、他の証券会社よりも優位性がある。
外国株式、海外ETFを購入するなら、住信SBIネット銀行を通して為替コストを抑えられるからだ。上でも述べたように、外国株式、海外ETFを購入したいなら、開設すべきは「つみたてNISA」ではなく「NISA」である。NISA口座選択時には間違いないようにしよう。
NISAとつみたてNISAの違い、SBI証券で受けれる還元についてまとめると、下記表のようになる。
(一般)NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
購入できる金融商品 | 国内外の株式・ETF、投資信託、国内REIT・ETN | 国が定めた基準を満たした投資信託、ETF |
運用方法 | 通常買付 | 通常買付・積立方式 |
非課税投資枠(1年間) | 120万円 | 40万円 |
非課税になる期間 | 最大5年 | 最大20年 |
非課税になる総投資額 | 最大600万円 | 最大800万円 |
取引手数料 | 国内株式の売買手数料および海外ETFの買付手数料が無料 | 取引手数料(買付・売却手数料)が無料 |
SBI証券で受けれる還元 | 投資信託の保有金額ごとに年利0%から0.2%のTポイントを還元 | 投資信託の保有金額ごとに年利0%から0.2%のTポイントを還元 |
外国株式、海外ETFではなく、投資信託をNISA口座で運用したい人は楽天証券の方がおすすめである。確かに、SBI証券でも投資信託の保有により還元を受けられる。しかし、楽天証券では投資信託を楽天カードで購入すると1%還元を受けれる(月5万円まで)。また、投資信託10万円ごとに毎月4ポイントの還元を受けれる(年利0.048%)。
NISA口座において投資信託の積み立てを考えている人は下記記事も必読である。
