セミリタイアとは、完全にリタイアしないまでもリタイアに近い生活を送ることをいう。収入を得るために仕事はする。しかし、フルタイムでの労働などはせず、仕事「量」を抑えた時間的に余裕のある生活を送りたい人のライフスタイルになる。
セミリタイアを本気で実現したいと思った時からなすべきこととしては
1.生活における支出の把握
2.生活コストをできる限り抑える
3.セミリタイア後の収入確保
以上の3つがある。
もちろん、十分な資産を構築したり、副業などで「セミリタイア後の収入」が確保できてからセミリタイアを検討する人もいるだろう。順番は問わないものの、生活コストの把握、生活コストの削減はセミリタイア生活を長期で続けたいなら必須になる。
この記事ではセミリタイア生活を実現・維持するための現実的な手順としてなるべく早くから始めるべき
▶ 生活における支出の把握
▶ 生活コストの削減
から
▶ セミリタイア後に収入を得る方法と住居について
を中心に詳しく述べていきたいと思う。
生活における支出を把握する
セミリタイアしたいと思った人がまずなすべきことは「支出の把握」である。特に、セミリタイア後の環境における支出は事前に把握しておく必要がある。
セミリタイア後に地方や物価の安い海外へ引っ越すなら、本格的な移住の前に一度数ヶ月の滞在をした方が良いだろう。地方や海外における新しい生活では支出の額、種類も変わる。本格的なセミリタイア前に、近い環境を経験して広い意味でのコストを把握すべきだ。
支出の分類は人によって様々かと思う。日本の拠点を維持しつつ、海外で生活するケースでかかる費用を分類すると
1.日本における支出
・家賃
・光熱、水道、通信費(電気、ガス、水道、固定回線、携帯)
・国内移動費(電車賃など)
・海外移動費、ビザラン代(航空券代など)
・税金・社会保障費
・積立
2.海外における支出
・家賃
・食費
・光熱、水道、通信費
・ジム
・移動費(タクシー代など)
・交際費、交遊費
以上のように分類できるかと思う。
セミリタイアは1年以上続けないと、正確に費用の計算をすることもできない。だが、数ヶ月の滞在でも予想できる部分は増える。
また、滞在場所を変えるなら、快適な生活を実現できるかどうか?をしっかりと調べる必要があるだろう。支出を把握するには、事前にセミリタイア後に近い生活をしなければならない。
生活コストを抑える
生活コストを抑えることはセミリタイア生活を継続する上で必須である。たとえば、月20万円支出する人よりも、月10万円支出する人の方が当然セミリタイアを継続できる確率は上がるだろう。生活における商品購入やサービスを受ける上で無駄な部分は極力排除しなければならない。
セミリタイア後の収入や資産に余裕がないなら、1人あたり月10万円程度に抑えることを目指してみよう。生活コストの削減はセミリタイアを検討し始めた瞬間から始めた方が良い。
こうしたセミリタイア後の収入や資産に余裕がない人向けに行うべきコスト削減を
1.家賃
2.食費
3.通信費
4.移動費(国内、海外)、ビザ代
に加えて、
5.生活コストを抑えるために大事なこと
についても下記では具体的に紹介していく。
1.家賃は高くても2万円台
セミリタイア後の予算に余裕がないなら家賃は高くても2万円台、できるなら1万円台に収めるべきだ。セミリタイアした人にとって家賃は最も大きな固定費になりうる。この固定費を抑えるだけ抑えれば、他の部分で我慢することも少なくなるだろう。
確かに、家賃が安いと、そこで暮らす人の質も落ちる。また、東京で2万円台のアパートは見つけるのも難しい。したがって、家賃の安いアパートやマンションが集まっている地方都市などへの移住(引っ越し)のも検討すべきだ。
家賃が安く、コスパの良い街としては福岡市や大分県杵築市、国東市があげられる。詳しくは下記記事を参考に。

更に家賃を抑えたい人は複数人で部屋をシェアする方法がある。恋人同士、夫婦はもちろん、友達同士でも家をシェアすればコストは抑えられる。1人で2万円の家よりも、2人で4万円の部屋の方がコスパも良いだろう。
また、海外でセミリタイアする場合、日本の家と海外の家を2つ借りている人も多い。この場合も1人よりも複数人でやった方がコストは抑えられる。一方が海外の家を使う間はもう一方が国内の家を使うといった分け方をすれば、1拠点を1人で使うこともできるだろう。
複数人で複数拠点をシェアするのはコストの点でメリットが大きい。
2.食事は自炊中心にする
食費も家賃と並んで大きくなりがちなコストである。低コストで継続的なセミリタイア生活を継続したいなら、食費も多少変える必要もあるだろう。
基本的に、炭水化物中心の生活をすれば食費は抑えられる。ご飯や麺、パンといったものである。炭水化物だけなら月5000円以内に抑えることも可能だ。

ただ、多少の飽きもあるだろうし、炭水化物中心の食事は太りやすく栄養も偏ってしまう。短期ならまだしも、長期でやるのはおすすめできない。
炭水化物の食事を中心に、栄養を考えた食材を摂取しよう。1人あたり3万円程度までなら、なんとか抑えられるはずだ。セミリタイア後は自炊のための食材を仕入れることができるスーパーへと通い、外食やコンビニ飯からは卒業して、料理をする習慣をつけた方が良い。スーパーが遠い人はネットスーパーを利用しても良いだろう。

3.携帯を持つなら格安SIMにすべき
セミリタイアするなら携帯を持たないという選択肢も考えるべきだ。電話番号はひかり電話など固定電話で安いものを用意すれば十分だろう。今は電話よりもインターネットの方が必須になっている人が多い。
携帯電話を持つにしても、ドコモやau、ソフトバンクといった主要キャリアではなく格安SIMに変えるべきだ。これだけで5000円以上は携帯代の節約ができる。
「携帯は持ち続けたい。」「しかし、格安SIMの申込みすら出来ない。」
最低限のコスト削減も面倒くさがるような人はセミリタイアを考えるべきではない。月数千円でも削減できる部分は削減すべきである。
電話代も高いので、極力電話はかけないようにする。頻繁に電話を使うなら、かけ放題のプランもしくはスカイプやLINE等の無料で使えるアプリを活用しよう。
4.移動費(国内、海外)、ビザ代について
移動費には生活する際に必要なものの他、海外でセミリタイア生活を送っている人は航空券代もかかってくる。セミリタイア後のライフスタイルによるものの、特定の場所に通うなら、そこへの移動コストも考えた上で家を選んだ方が良いだろう。
また、海外でセミリタイアするならビザ代もしくはビザラン(滞在期間を延長するために、他国へ出国すること)のための費用が必要になる。セミリタイア先がアジアなら頻繁に日本へ帰国しても大きなコストにはならない。特に、台湾は近場で往復1万円から2万円、ノービザで3ヶ月滞在できることから、1ヶ月あたりの航空券代はそこまで高くならない。台湾はセミリタイア先としても人気である。日本人の滞在者もどんどん増えている。
東南アジアも物価の点ではおすすめだ。ただし、航空券代としては往復で最低数万円、マイナーな都市だと5万円以上はかかる。
航空券なら韓国も安い。ただ、韓国は物価が日本並みに高い部分もある。
どの国に暮らしたいかは個々人の好みにもよるだろう。
5.生活コストを抑えるために大事なこと
生活コストを今まで以上に抑えるためにはライフスタイルを変えなければならない部分もでてくる。家賃が安い田舎へ引っ越し、外食やコンビニ飯が中心だった人は自炊もしなければならない。
また、セミリタイア後も人間関係を維持したい人がいたとしたら、その人にもセミリタイアというライフスタイルを理解してもらう必要がある。たとえば、毎週飲みに行く仲間がいても、生活コストを抑えたいなら、断らなければならない。低コスト生活を維持することを広い意味で邪魔する人なら、関係を遮断することも考えなければならない。この点でセミリタイアの実現および継続が難しくなってしまう人も出てくるはずだ。
低コスト生活を送るにしても、以前の水準をなるべく維持したいという人はいるだろう。そのためには、以前よりも生活のコスパを高めなければならない。広い範囲で生活のコストパフォーマンスを高めていくという大事な考え方を知りたい人は下記記事を参考に。

セミリタイア後に収入を得る方法と住居について
セミリタイアを実現する上でもっとも重要なのはお金である。十分な貯蓄があり、老後を含めても、働かずに生活できるのであれば問題ない。しかし、多くの一般人の場合、セミリタイア後も労働収入を得る必要があるだろう。
セミリタイア後に収入を得る方法
セミリタイアしてから収入を得る方法は様々である。働けば確実にお金(報酬)をもらえるのは
・バイト・日雇いなどの労働
だろう。
バイトや日雇いなどの労働も稼ぐための選択肢として外さない方が良いだろう。
少々難易度は上がるものの
・アパートを所有してその家賃収入で暮らす
・事業を行う自営業、専門スキルを持ったフリーランスで稼ぐ
という形で収入を得て、セミリタイアしている人たちも多い。
不動産投資はサラリーマンならローンも組みやすい。会社を辞める前に検討してみるのは悪くない。ただし、収支がマイナスになるリスクはある。利回りなどはきちんと見てから購入を決めるべきだ。
フリーランスに関しては初めから十分なお金を稼ぐのは難しいかと思う。セミリタイア生活に入る前に、副業という形で早いうちから始めて見るべきだ。ネットで稼げるフリーランスの仕事をまとめて知りたい人は下記記事を参考に。

セミリタイア後の住居について
セミリタイア後の住居は収入源も考慮しなければならない。バイト・日雇いなどの労働を検討しているなら家賃が安く、時給も全国レベルでそれなりに高い「大阪」「福岡」がおすすめである。
収入を得る上で住む場所が関係ないなら、家賃が1万円以下の田舎、海外に住むのも悪くはない。ネットで稼げるフリーランサーもそうだ。海外なら家賃を含めて、生活費がかなり抑えられる国や都市もある。
もちろん、物価ではなく、実現したいライフスタイルによって住む場所を選んでも良いだろう。暖かい場所に住みたいなら沖縄や南国への移住がおすすめである。年中30℃を越える暖かい環境で過ごしたい人も多いはずだ。日本人なら海外への移動も制限が少ない。場所に縛られることなく、様々な国や都市を見て、長期滞在先を決めるのも悪くないはずだ。
「生活における支出の把握」と「生活コストの削減」 はセミリタイア生活を目指した瞬間から始めるべきだ。セミリタイア後の収入も副業として始められるなら、時間のある時に取り組むようにしよう。時間的な余裕が無い人は転職も検討してみるべきだ。
セミリタイア後に住む場所を変えるなら、旅行などをして事前に住居環境は把握しておく必要がある。海外なら本格的な移住をする前に、数ヶ月のプチ移住から始めてみよう。
ちなみに、セミリタイアではなく、海外に住むこと自体が大きな目的になっているなら、現地で就職することを考えても良いだろう。日本人が海外で働く場合、どのような形があるかを知りたい人は下記記事を参考に。
