銀行の外貨預金サービスを利用したい場合、考慮すべきポイントとしては
1.買いたい通貨が買えるか?(取り扱い通貨が多いか?)
2.為替コスト
3.預金金利
4.外貨預金以外のサービス
5.銀行の信用力
以上の5つがある。
5の「銀行の信用力」について、外貨預金は1000万円まで保護される預金保険制度の適用を受けない。また、分別管理制度と投資者保護基金制度の適用も基本的にはない。
ただし、よほど潰れそうな銀行で無い限り、気にする必要はないかと思う。それでも心配なら銀行の外貨預金で持つのではなく、証券会社で外国株・ETF、外貨建債券などを保有すべきだ。これらは投資者保護基金制度で保護される。
ソニー銀行は「4.外貨預金以外のサービス」において、他行よりも優位性がある。ソニーバンクウォレット(Sony Bank WALLET)は国内・海外での決済として利用価値が高い。外貨預金の目的からは離れるものの、消費における還元を増やしたり、外貨決済として多くの人におすすめできるデビットカードだ。
この記事ではソニー銀行における外貨預金を最大限に生かす方法として
▶ ソニーバンクウォレット(Sony Bank WALLET)の優れた点
から
▶ ソニー銀行と他行の取扱通貨、為替コスト、預金金利比較
まで紹介していきたいと思う。
ソニーバンクウォレット(Sony Bank WALLET)の優れた点
ポールスミスのようなデザイン柄のソニーバンクウォレット
ソニー銀行ではデビット機能付キャッシュカードとして「ソニーバンクウォレット(Sony Bank WALLET)」が発行できる。
ソニーバンクウォレットは外貨預金と関連し
1.日本円決済で最大2%還元を受けれる
2.外貨預金口座から手数料無料で外貨決済、1.76%の手数料で外貨引出などができる
といった他行にはない優れたサービスを提供している。
日本円決済で最大2%還元を受けれる
ソニーバンクウォレットでは、デビットカード決済ができる。このデビットカードの日本円における還元率はステージによって異なり、0.5%から2%の還元を受けれる。
ステージなし:0.5%還元
シルバー:1.0%還元
ゴールド:1.5%還元
プラチナ:2.0%還元
シルバーからプラチナになる条件をわかりやすく説明すると、
シルバーは普通預金300万円以上もしくは月3万円以上の外貨預金積立もしくは月3万円以上の投資信託積立が条件になる。
ゴールド、プラチナは「外貨」「投資信託」「WealthNavi for ソニー銀行」3つの合計残高で決まる。これらの合計額が500万円以上あるならゴールド、1000万円以上あるならプラチナにランクアップする。
また、ソニー銀行に住宅ローン残高があれば最長5年間、FXの月間取引枚数1000枚以上(1枚は1万通貨)でランクアップする。いずれかを満たすと1ランクアップし、両方を満たすと2ランクアップする。
シルバーランクでも1%還元であり、デビットカードの中では高還元に分類される。上でも述べたように、シルバーは月3万円以上の外貨預金積立で達成できるため、外貨預金を検討している人には難しくないだろう。
外貨預金口座から手数料無料で外貨決済、1.76%の手数料で外貨引出などができる
日本で作成したクレジットカードやデビットカードは通常海外でも利用できる。ただ、通常は決済や現地通貨の引き出しで各種手数料がかかる。
Sony Bank WALLET(ソニーバンクウォレット)は
・米ドル(アメリカなど。一部発展途上国でも米ドル決済が可)
・ユーロ(ユーロ圏)
・英ポンド(イギリス)
・豪ドル(オーストラリア)
・NZドル(ニュージーランド)
・カナダドル(カナダ)
・スイスフラン(スイス)
・香港ドル(香港)
・南アランド(南アフリカ)
・スウェーデンクローナ(スウェーデン)
の10通貨で外貨口座にある外貨を元手に、決済と現金の引き出しができる。
Visaによる外貨建決済では手数料は無料、現地通貨の引き出しでは1.76%の手数料となっている。つまり、外貨預金にある残高がそのまま消費される。
外貨預金口座から手数料無料で決済できるサービスはソニー銀行の他、米ドルのみなら住信SBIネット銀行にもある。住信SBIネット銀行のミライノデビットでは米ドル決済で手数料を取られる。しかし、手数料分のポイント還元を受けれるため実質無料になっている。
日本円を稼ぎ、上記通貨使用国へ行く人には必須のサービスと言えるだろう。
外貨決済、外貨引き出しの他、外貨送金サービスについても詳しくは下記記事を参考に。
ソニー銀行と他行の取扱通貨、為替コスト、預金金利比較
外貨預金では銀行ごとに
・取扱通貨
が異なっている。
また、
・為替コスト
・預金金利
も異なる。これらは外貨預金サービスを利用する前にチェックしておいた方が良いだろう。
外貨預金の利用者が多いのは大手都市銀行だ。しかし、外貨預金サービスが充実しており、手数料も安く、金利も良いのはソニー銀行含むネット銀行である。
ソニー銀行を含めたネット銀行および大手都市銀行の外貨預金サービスについて、取扱通貨、為替コスト、預金金利についてまとめて比較すると下記のようになる。
取扱通貨 | 片道(買付、払戻)の為替コスト(1ドルあたり) | 金利(米ドル) | |
ソニー銀行 |
12通貨 米ドル カナダドル |
4銭から15銭 |
普通預金 定期預金 |
住信SBIネット銀行 |
9通貨 米ドル |
4銭 |
普通預金 定期預金 |
楽天銀行 |
8通貨 米ドル |
25銭 |
普通預金 定期預金 |
じぶん銀行 |
8通貨 米ドル |
買付0銭、払戻は25銭 |
普通預金 定期預金 |
イオン銀行 |
3通貨 米ドル |
買付0銭、払戻50銭 |
普通預金 定期預金 |
GMOあおぞらネット銀行 |
8通貨 米ドル |
2銭 |
普通預金
|
新生銀行 |
13通貨 米ドル |
15銭 |
普通預金 定期預金 |
三菱UFJ銀行 |
6通貨 米ドル |
25銭(インターネットバンキング) |
普通預金 定期預金 |
三井住友銀行 |
6通貨 米ドル |
50銭(インターネットバンキング) |
普通預金 定期預金 |
みずほ銀行 |
6通貨 米ドル |
40銭(みずほダイレクトまたはATM外貨預金振替サービス) |
普通預金 定期預金 |
2019年10月現在の情報。各銀行のホームページより。
ソニー銀行の為替コストは上でも紹介したステージによって変わる。米ドルの場合、プラチナステージなら1ドル4銭、ステージなしなら1ドル15銭の為替コストとなる。
金利はステージではなく預入金額や期間によって変わる。
ソニー銀行における米ドル金利(2019年10月23日時点:米ドル|MONEYKit – ソニー銀行より)
為替コストはインターネット上で取引した場合の手数料になる。大手都市銀の店頭や電話注文にすると、手数料として為替コストも割高となる。
また、各銀行はたびたび為替コストの無料キャンペーンを行っている。
住信SBIネット銀行による2019年7月22日から9月27日まで行われた米ドルの買付手数料0円キャンペーン、外貨積立なら全9通貨も買付手数料無料キャンペーン(netbk.co.jpより)。
定期預金は預け入れ期間によって変化する。ただし、預け入れ期間が長ければ長いほど金利が良くなるわけではない。例えば、米ドルの住信SBIネット銀行における金利は下記のようになっている(2019年10月現在)。
3ヶ月もしくは1年の定期預金がもっとも金利が高い(外貨定期預金 | 住信SBIネット銀行)。
ソニー銀行、じぶん銀行などで比べても6ヶ月の米ドル定期預金より、3ヶ月の米ドル定期預金の方が金利が良い。
ソニー銀行の3ヶ月定期預金1.70%、6ヶ月定期預金1.60%(米ドル)
じぶん銀行の3ヶ月定期預金2.00%、6ヶ月定期預金1.25%(米ドル)
※2019年10月現在の金利
外貨預金ランキング
日本の銀行において外貨預金の取扱通貨数、為替コスト、金利でそれぞれ5位までランキングをつけると下記のようになる(2019年10月現在)。
取扱通貨通貨数
1位 新生銀行(13通貨)
2位 ソニー銀行(12通貨)
3位 住信SBIネット銀行(9通貨)
4位 楽天銀行(8通貨)
4位 じぶん銀行(8通貨)
4位 GMOあおぞらネット銀行(8通貨)
為替コスト(米ドルの)
1位 GMOあおぞらネット銀行(2銭)
2位 住信SBIネット銀行(4銭)
3位 ソニー銀行(4銭から15銭)
4位 じぶん銀行(買付0銭、払戻25銭)
5位 新生銀行(15銭)
定期預金金利
1位 新生銀行(1.30%から2.00%)
2位 じぶん銀行(1.00%から2.00%
3位 住信SBIネット銀行(1.20%から1.80%)
4位 ソニー銀行(1.20%から1.70%)
5位 GMOあおぞらネット銀行(普通預金1.50%)
※GMOあおぞらネット銀行は普通預金金利
為替コストや定期預金金利は購入通貨によるものの、トータルで見てソニー銀行は悪くないだろう。外貨預金と合わせて、ソニーバンクウォレットのサービスを積極的に利用するなら最優先の銀行になるはずだ。
銀行で購入した外貨を原資に外国株・ETF、外貨建MMF、外貨建債券などへ投資したい人は証券会社と連動している銀行がおすすめである。証券会社と連動が進んでいる銀行として、住信SBIネット銀行は口座開設も必須になるだろう。
詳しくは下記記事を参考に。