闇金ウシジマくん、フリーエージェントくん編の実際のところと世間に与えたネットビジネスのイメージについて

闇金ウシジマくん、フリーエージェントくん編 ネットビジネス

2014年10月30日に発売された闇金ウシジマくん32巻で、30巻から続いていた「フリーエージェントくん編」が終了した。

見てない人のためにネタバレ無しであらすじを紹介すると、お金を稼ぐという目的のためだけに肉体労働(フリーター)をしていたある若者がいた。彼はネットビジネスでお金持ちになれるという売り込みの広告を見て、怪しいと思いながらも無料のセミナーに参加する。セミナー終わりにネットビジネスで実際に成功した人と話し、その世界に憧れを持つようになる。そして親からお金を借り、多額のお金を支払って、その人が主催する塾へと入塾する。

塾で教えられたのはFacebookやブログ上でお金持ちアピールを行い、お金持ちになるための塾を自身も販売して紹介料を得るというねずみ講のようなシステムだった。それでもセミナーへの入会者を増やせば、紹介料として高額の報酬を得ることができた。お金持ちになりたい人と思っている人をつぎつぎと勧誘していき、多額の紹介料を得て、高級マンションに高級車、綺麗な恋人と、理想を次々に実現させて行くが・・・

このような感じで話は進む。ストーリー的には良くできていて面白い。ちょくちょく過去の話との繋がりは出てくる。しかし、闇金ウシジマくんの過去の巻を読んでいなくとも十分内容は理解できる。

電子書籍ではすぐに読めるので興味のある人はどうぞ。

 

世間もネットビジネスの胡散臭い雰囲気を感じていた頃だし、このフリーエージェントくんでは与沢翼氏をはじめとしたモデルが実在しているため比較的話題になった。読んだ多くの人がネットビジネスはやっぱりロクなものでなかったと感じてしまっただろう。しかし、与沢翼が行っていたビジネスとは実際のところ異なっている。

 

この記事では与沢翼が行っていたビジネスについて稼ぎ方の仕組みから、世間に与えたアフィリエイターのイメージについて詳しく紹介していきたいと思う。

 

与沢翼のビジネスとは?

ウシジマくんに出てくる「天生翔(てんしょうかける)」が与沢翼のモデルである。作者および与沢翼本人がこれを認めている。作者は与沢翼を実際に取材しており、与沢翼はヒドイ描かれ方をされたため、激怒したそうだ。

 

漫画での与沢翼(天生翔)は塾生に塾の勧誘をさせ、高いお金を払って入塾した塾生に、更に高額商品を売りつけてお金をとことん搾取している。作品自体リアリティーがあるせいか、すべてではないにしろ、ネットビジネスのほとんどがこういったねずみ講的な手法を取っていると一般の人はイメージしてしまうだろう。

 

与沢翼の成功によって彼の集金方法は有名になった。この手法は与沢翼が考案したものでもなく、昔からあるものである。この手法を使えば、少ない手持資金でも短期間で莫大な収益をあげれる。実際彼はこの手法を用い、手持資金10万円の状態から短期間で年収1億円を達成した。

知らない人も多いので、与沢翼が行ったビジネスのカラクリを紹介しよう。

会社が倒産し資金が10万円しか無い状態で与沢翼氏は日本一のメルマガ発行数を誇る川島和正氏に接触する。そして、川島和正氏のメルマガで、与沢翼氏のメルマガを紹介してもらった。川島和正氏はもちろんタダで紹介したわけではなく、与沢翼氏に条件を出した。

それは

・メールアドレス1通の紹介につき600円支払うこと
・15日締めの翌々月末(75日後)までに、その料金を支払うこと

というものだった。

 

単にメルマガを紹介してもらうだけではメルマガの読者はあまり増えないので、有料起業セミナーのファイルをメールアドレスの登録者に無料でつけることにした。 結果として、7万人が与沢翼氏のメルマガへ登録する。与沢翼氏はメール1通につき600円支払う予定であったため、川島和正氏への支払額は4000万円を超えたということを意味する。手持ちはわずか10万円。

そこで彼はこの7万人のメルマガ読者に対して、高額商材の商品を紹介したり、オプトインアフィリエイトで収益を上げていく。 一例をあげれば、30万円の商材を170本も販売したのである(これだけで5100万円の売上)。結果として、2011年末、つまり前の会社を倒産させてから4ケ月も経たないうちに7000万円のキャッシュを手に入れた。

川島和正氏へもメルマガ紹介から75日を超える前に、約束通り4000万円の支払いを済ませた。くわえて、現金3000万円も手元に残っているし、ドル箱となっている7万人のメールアドレス(いわゆる、リスト)も所有している。

メルマガで更なる収益を上げつつ、ここから与沢翼氏主催の与沢塾(高額セミナー)を行ったり、積極的にメディアに出て知名度を上げて新たな顧客を掴む戦略を取り始めた。そして短期間で、1億円という収入を一気に突破するのだった。

与沢翼がアフィリエイトで月収1億円稼ぐまでの真実を述べるより

 

7万人のうち170人へ30万円の商材を買わせるだけで5100万円の売上。確率的に0.24%、1000人のうち2人と少しの数である。0.24%という確率でも十分成り立つビジネスなのだから、継続するのは決して難しくはない。

 

与沢翼氏はこの後大手メディアにどんどん露出し、さらに知名度を上げ、30万円近い与沢塾第3期に至っては1000本以上売れたとの噂もある。

信じられないかもしれないが、30万円の高額塾を1年でたった20人に売っただけでも600万円という、東京都の平均年収582万円(平成24年)を超えるのである。高額セミナー、塾というのはそれほど旨味がある商売なのだ。

 

与沢翼のアプローチを見てもわかるように、大事なのは集めたリストを使って、いかに売れる確率を上げるか?という点になる。そこから、魅力的な言葉を並べた売り方を考えるのである。

「誰でも」「簡単に」「自由に」「会社に縛られない」「場所を選ばない」

などよく聞かれる言葉が並ぶのはそういった理由からだ。

 

高額セミナーというビジネスモデル

こういった高額セミナーによるビジネスが犯罪かと言われればそうは言い難い。それ以上に費用がかかる大学受験予備校も同じような方法で授業の売り込み方をする所も出てきている。予備校も東大コース等を作って生徒を募集したりはしている。しかし、果たして何%の受講生が目標に到達するだろうか?結局のところ、本人の努力が足りなかったという点を指摘されたら何も言えなくなるのである。

与沢翼氏が失敗したのはこのビジネスモデルが崩れたからではなく、税金の支払見通しが甘かったのと投資案件で騙されたからである。

ウシジマくんでも述べられているように、この高額塾、セミナービジネスでは、詐欺はもちろん特定商取引法違反で捕まった人も出ていないのが現状で、今後もこういったビジネスの市場は拡大していく可能性が高い。

 

悪化するネットビジネスとアフィリエイトのイメージ

予備知識が無い分野だと、一定のイメージを与えられればそれが一般に定着してしまう。本来フリーエージェントという言葉もかなりポジティブな言葉で、アメリカで使われるようになったものだ。今では「フリーエージェントを目指す」なんてことを日本で言えば、与沢翼をはじめとした高額塾を連想され、白い目で見られるだろう。ネットビジネスやアフィリエイトという言葉も同様だ。

 

与沢翼氏の行ったビジネスは上でも説明したように、コンサルティングやセミナーに含まれる教育関連事業が主体なのである。にもかかわらず、彼がネットビジネス、アフィリエイトという用語を用いて、それをそのままウシジマくんという漫画でも使用したため、あたかもネットビジネス、アフィリエイト行っている人のほとんどがネズミ講的なことをしているかのような印象を与えてしまっている。著者だけでなく、他の人もネットビジネスやアフィリエイトという言葉は使いにくくなってしまっているだろう。

ただ、アフィリエイトの中には実際にブラックなものも確かにあり、それが事態を更にややこしくしている。世間のイメージを覆すことは容易ではない。だからこそ、このブログではアフィリエイターのリアルを発信していきたいと思っている。

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現在でも与沢翼が主に使っているアフィリエイト「無料オファー」については下記記事を読めばそのリスクや仕組みも更に理解できるかと思う。

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