YouTuber(ユーチューバー)はここ数年で一気に世間の認知度も上がり、なりたい職業ランキングでも上位になっている。若者の中ではこの言葉を知らない人は殆どいないだろう。
YouTuberの広告収入はYouTube内で表示される広告とYouTube外からもたらされる企業案件でほぼ成り立っている。広告以外へ事業を広げ、さらに稼いでる人もいるだろう。
これらYouTuberの収入の中でも、YouTube内の広告収入は再生回数などによってある程度の予測ができる。
この記事ではYouTube「内」で収入を得ることに興味のある人、人気YouTuberのYouTube内広告収入が気になる人に向け
▶ YouTubeから広告収入を得るまでの具体的な流れ
▶ YouTubeにおける広告の種類
から
▶ YouTuberの収入を調べる方法
▶ YouTube広告の単価について
まで詳しく紹介していきたいと思う。
YouTubeから広告収入を得るまでの流れ
まず、YouTubeで収入を得るまでの流れを簡単に説明すると
1.YouTubeのパートナープログラムに登録する。
2.YouTubeパートナープログラムをGoogleのアカウントでGoogle Adsenseと関連付ける。Google AdSenseの「お支払い」の項目で銀行口座を登録する。
3.YouTubeに動画を投稿し、過去12か月の総再生時間4000時間以上、チャンネル登録者数1000人以上に達すると、お申し込みの審査が実施され、動画が規約に遵守しているかどうかが確認される。遵守されていると判断されれば、動画に広告の掲載が許可される(2018年1月発表の収益化開始基準)。
4.動画内で広告が再生されたり、サイドバーにある広告がクリックされると収益が発生する。
5.収益が8000円以上になった翌月の25日前後に、指定の銀行口座へと振り込まれる。
という流れになる。
YouTubeはパートナープログラムというものを提供している。以下の条件を満たすYouTubeチャンネル登録者であれば誰でも参加できる。
・パートナープログラムが住まいの国で実施されている(60カ国が対象。もちろん日本でも実施されている)。
・以前アカウントが収益の受け取りについて無効になっていない。
・広告主にとってメリットが大きいコンテンツをアップロードしている。
・動画コンテンツが利用規約およびコミュニティガイドラインに準拠している。
・YouTube の著作権教育資料を確認している。
・所属するマルチチャンネル ネットワークが YouTube パートナープログラムへの参加を禁止していない。
YouTubeから広告収入を得るにはまずYouTubeパートナープログラムへ登録しなければならない。YouTubeパートナープログラムへの登録後、GoogleのアカウントでGoogle Adsenseと関連付ける。報酬の管理もGoogle AdSenseでなされ、住所、名前、電話番号等の登録をする。
また、YouTubeパートナープログラム登録時には下記のような注意事項が掲載されている。
YouTubeに動画を投稿し、動画の再生回数がチャンネル内トータルで1万回に達すると、お申し込みの審査が実施される。投稿した動画が規約に遵守しているかどうかの確認がなされ、遵守されていると判断されれば広告の掲載が許可される。
動画内で広告が再生されたり、サイドバーにある広告がクリックされるようになると収益が発生する。この1再生、1クリックによる報酬額は表示される広告による。1クリック30円から高いものでは1000円以上になる。広告の単価は動画を見ている人が広告をクリックし、商品やサービスを購入しても上がる。
YouTubeからの収益は日本円の場合、8000円を越えたら月末締めの額で翌月の25日前後に指定の銀行口座へと振り込まれる。現在は銀行口座以外での受取方法は無い。未成年者でも銀行口座を持っていればお金の受け取りは可能である。
YouTube広告の種類
掲載される広告はランダムで表示されるものなどターゲットを絞らないものもあれば、人に合わせて表示される広告もある。この視聴者に合った広告はYouTubeの親会社Googleのアルゴリズムによって選ばれる。
動画再生画面においては、下記のような3種類の広告が表示され、クリックと動画再生で収入が発生していく。
ちなみに、動画投稿者(YouTuber)は広告を非表示にしたり、表示する広告の種類を選べる。
インストリーム広告
インストーム広告とは動画の再生前、もしくは長時間動画では15分後、30分後などにテレビのCMのように流れる広告である。5秒後に視聴者が広告をスキップできるものや、スキップできない15秒程度の広告もある。こちらは広告を視聴しなければ、動画本編を見れない。
インストーム広告は広告の視聴や外部のスポンサーサイトへ移動した際に報酬が発生する。
オーバーレイ広告
WORLD ORDER “Welcome to TOKYO” – YouTube
オーバーレイ広告とは動画の下部を覆うようにして表示される広告である。この広告を設定すると、設定した箇所から10秒以上経過した際に表示される。
この広告は動画の視聴者にクリックされると報酬が発生する。クリックされずに右上の✕で広告を消されれば収益は発生しない。広告が誘導した先で視聴者が商品やサービスの購入をすると、報酬はさらに増える。
サイドバー広告
お肌が気になるのでドモホルンリンクル使ってみた – YouTube
サイドバー広告とは、動画右側のサイドバーに表示される広告をいう。
この広告はクリックした場合に報酬が発生する。こちらも広告が誘導した先で視聴者が商品やサービスの購入をすると、報酬はさらに増える。
ただし、先に紹介した広告に2つに比べてクリック率は非常に低い。
人気YouTuberの広告収入を調べる方法
YouTube内における広告収入は以上のように広告の
1.クリック数
2.完全視聴数
3.単価
によって決まる。
勘違いしている人も多いが、チャンネル登録者数は全く関係ない。もちろん、チャンネル登録者数で企業案件と呼ばれる動画による宣伝をお願いされやすくなるケースはあるだろう。しかし、YouTubeからの広告収入はあくまでも広告のクリック数や完全視聴数および単価によって決まる。
YouTuberの月収を予想する方法
YouTuberの収入を予想する簡単な計算方法としては、1再生=0.1円というものがある。動画の再生数に0.1円を掛けて収入を予想する方法だ。つまり、1万回再生されれば約1000円の収入が得られるという計算になる。もちろん、チャンネル内の動画の「総」再生数である。過去の動画が突然注目され再生数が伸び、莫大な収入を得たYouTuberもいる。
ただ、1再生=0.1円という計算方法よりも更に精度の高いYouTuberの収入を調べる方法が出てきている。それがソーシャルブレイド(SocialBlade.com)を使った調査方法である。
SocialBlade.comでYouTuberの収入を調べる方法としては
1.https://socialblade.com/へ訪問する
2.中央の検索スペースもしくは右上のタグで「YouTube」を選択し、収入を調べたいYouTuberのユーザーネームをスペースへ入力する。
例えば、人気YouTuberヒカル氏の場合、YouTubeチャンネルのURLが
となるが、この「channel/」の後ろにある英数字「UCaminwG9MTO4sLYeC3s6udA」がユーザーネームとなる。
ヒカキンの場合、YouTubeチャンネルのURLは
となっており、この「user/」の後ろにある英数字「HikakinTV」を入力して検索をかければ良い。
ヒカル氏のチャンネルのURLを入力し検索をかけると下記のような画面が出てくる。
このうち予想月収は「ESTIMATED MONTHLY EARNINGS」の部分になる。
最小$26.8Kから最大429.4K。Kは1000倍を意味するので、26800ドルから429400ドルを意味する。
26800ドルは1ドル110円で計算すると294.8万円
429400ドルは1ドル110円で計算すると4723.4万円
つまり、ヒカル氏の予想月収はミニマム月300万円からマックス4700万円程度となる。
何人かの人気YouTuberがこのサイトを使って調べてみたところ、マックス(ヒカル氏の場合は4723.4万円の部分)の半分ぐらいが実際の収入だったとのことだ。
したがって、ヒカル氏の予想月収は4723.4万円の半分、月2362万円程度となるだろう。年収にすると2.8億円となる。
ソーシャルブレイドはジャンルや地域なども収益予想へ含めている。視聴者によって異なる広告の単価を計算に入れてるのだ。こちらの方が動画の総再生数✕0.1円という単純な計算よりも予想月収が近いなるだろう。ただし、商品やサービスへ申し込んだかどうかによっても、単価は強く影響を受ける。動画がより商品やサービスへの申込を促すようなものであれば、広告収入は更に高くなるだろう。したがって、こちらのツールも参考程度にしかならない。
人気YouTuberの広告「以外」のYouTube内収入
YouTubeにはこうした広告収入以外にも投げ銭システムに似た「Super Chat(スーパーチャット)」、月額で課金されるファンクラブのようなシステム「スポンサー機能」がある。
スーパーチャットではライブ配信中に最大で1人5万円までお金を贈与できる。投げ銭は同一人物が複数回行うことも可能である。
スポンサー機能ではチャンネル運営者が毎月の会員費を決める。会員になるメリットとしてスタンプや会員にしか見れない動画の提供などもできる。1人あたりの決められた金額は会員が解約するまで毎月の収入になる。
他にも、人気YouTuberになれば、スポンサー企業等が付き、YouTube「外」からの報酬も得られる。企業案件は報酬が非公開なので、この辺の報酬を予測は難しい。ただ、1本数百万円と呼ばれる案件で商品やサービスを紹介する動画を投稿し、YouTubeの広告収入以上に稼いでる人もいる。
YouTube広告の単価について
上でも述べたように、YouTubeの収入は
1.クリック数
2.完全視聴数
はもちろん、
3.表示される広告の単価
が異なるため、正確な報酬は本人しか知り得ない。
10分以上の動画では、多くのインストーム広告を差し込める。動画の再生時間が長くなれば当然滞在時間も増えるため、表示回数だけでなく、広告のクリック率も上がっていく。
視聴者にクリックを促すような動画での発言や記載は禁止されており、そのような発言は規約違反でチャンネル閉鎖の要因となる。ただ、動画の内容が旅行だったり、特定商品やサービスへの申込を喚起するものなら規約違反ではない。また、動画の内容と広告がマッチすると、商品やサービスの購入率も上がるため単価は跳ね上がる
広告は1クリック30円のものから1クリックで1000円以上になることもある。表示される広告は動画の内容よりも視聴者によって大きく違ってくる。お金持ちの人がたくさん見る動画の場合、クリック単価が高めの広告が表示される。これはもちろん、日本国内だけの話ではない。
地域と言語も再生数あたりの広告単価に影響
YouTubeでは日本語と英語といった多言語での動画投稿を行う人も多い。動画を英語で配信、もしくは英語字幕をつければ、世界中の多くの人に興味を持ってもらえる。日本語とは比べ物にならないぐらいのアクセスを集められるかもしれない。しかし、英語動画で多くの再生回数を集めても、日本に住んでいる日本人向けの広告の方が単価が高いケースがほとんどである。
広告の単価は、購買力の違いから、住んでいる国と言語によっても大きく異なっている。たとえば、日本の場合、YouTubeでも表示されるGoogle AdSenseの広告単価は1クリック50円というのは普通である。しかし、発展途上国ではここまで高額な金額で広告を出す企業はいない。英語といえど、アメリカからフィリピンまで国によって大きくその購買力は異なっているのだ。
金持ちの国であるルクセンブルグの人がルクセンブルクで見てくれれば、広告の単価はもっと高くなる。動画は日本語でも良く、一例としては、ルクセンブルグ人等広告単価の高い国の人が興味を持ってくれるような動画というのも狙い目かもしれない。ただ、ルクセンブルクの人口は少ないので、需要が少ない(再生回数はそこまで伸びない)という欠点がある。
インターネットエクスプローラーやGoogle Chromeといったプラウザでは言語設定ができる。ここで設定された言語によっても広告は変わる。動画を見ている人が、どこの国からアクセスしているかもわかるため、地域とプラウザの言語で表示する広告をその人の好みに合わせて表示しているのである。
ちなみに、著者がタイにいる時に出て来るは日本人向けのタイにある飲食店の広告が多かった。日本人でかつタイにいる人への広告はやはり限りがあるようだ。海外にいる日本人向けの広告は数も少なくなるので、単価は低くなるだろう。逆に、タイ関連の動画でも、日本に住む日本人向けだと広告単価も高くなる。これはタイ旅行などのサービスと相性が良く、需要および売上も大きいからだろう。
人気YouTuberのように月数百万円、数千万円稼ぐことは難しい。しかし、単価の高い広告が表示され、商品、サービスの購入率が高い「質の良い」ユーザーを集められれば、ある程度の収入を得ることも難しくないのだ。
YouTubeでは広告以外にも「Super Chat(スーパーチャット)」と「スポンサー機能」により収入を増やせる。これらを踏まえたYouTubeの稼ぎ方全般について詳しく知りたい人は下記記事を参考に。
