海外に比べると日本はまだまだ外国人と接する機会が少なく、日本人の多くは英語を使わない日常を過ごすのが普通だ。こうした英語を「使う」機会の無さが、日本人が英語をしゃべれない一番の要因なのは間違いない。
英語をペラペラにしたいなら、使うシチュエーションを経験し、フレーズに対するレスポンスまでを訓練する必要がある。スムーズな会話にはレスポンスの速さが必要になるが、これは経験しないと素早く反応できないからだ。聞くだけ、読むだけ、覚えるだけのインプットではリーディング(読解)やリスニング(聞き取り)はともかく、スピーキング(会話)は一向に上達しない。
YouTubeは基本的に英語に触れたい人向けのものであって、スピーキングを練習したり、効率良く英語を学ぶ場所ではない。また、日常会話を理解できるぐらい英語が出来なければ、動画を流し見するだけで知識として身につけるのは難しいと考えた方が良いだろう。ただ、基礎知識さえあれば、これから経験しうるシチュエーションを予め体験する事は出来るし、英語学習の効率を高める事も出来る。
下記で詳しく述べていく。
目次
YouTubeによる英語勉強法
YouTubeで英語をペラペラにするには普通に英語を喋っている人のチャンネルを見ているだけでは意味がない。ペラペラにするには単語やフレーズよりも、使うシチュエーションやフレーズを覚えていく必要がある。
英単語を知識として知っていても、経験のないシチュエーション、フレーズに対しては頭の中で一から英文を組み立てる必要がある。考える時間が必要なので、慣れていないと会話のやり取りが遅くなってしまう。これがペラペラを阻害する要素だと言える。
こうした英語をペラペラにするためのシチュエーションやフレーズを学ぶ場所として、YouTubeを利用する事も出来る。
YouTubeで英語をペラペラにするには?
例えば、下記のNatalia Natchanの動画では「Turn up」の使い方が約3分半で紹介されている。
「Turn up」は主にパーティーで使われる言葉で、パーティーで「盛り上がる」、お酒で「クレイジーになる」といった表現で使われる。例文を上げると
・I’m gonna get so TURN UP tonight. 今夜は盛り上がるぞ
・Lets go TURN UP. みんなで盛り上がるぞ
・I got so TURN UP last night. 盛り上がり過ぎた
一見すれば「Turn up」という熟語1つを覚えるのに数分という時間をかけるのは効率が悪いと感じるかもしれない。しかし、こういったシチュエーションを含めてフレーズを丸ごと覚えた方がレスポンスを速くするには有効である。動画ならイメージしやすいし、記憶にも残りやすいはずだ。彼女の表情だったり、アクセントも本当にそのシチュエーションで話しているかのような感じになっているので動画を見てみると理解しやすいと思う。
ペラペラになるにはとにかく「シチュエーション」を経験する事が大事なので、これを擬似体験できる動画を見るのはとても有益だ。しかし、ペラペラになるのに十分なシチュエーションをYouTubeで疑似体験するのは難しい。ある程度知識として身に付ける事は出来ると思うが、こうした場を効率良く踏みたいなら英語をしゃべる外国人と外へ遊びに行った方が早いだろう。
その際、表現できなかったフレーズを日本語でメモしていき、穴を埋めていく必要がある。そうすれば次の同じシチュエーションから徐々に使えるようになるはずだ。
ナンパする時のフレーズ。使う言葉に流行り廃りもあるし、日本語にはない微妙なニュアンスの違いもある。
「電話番号教えて」の教えてを「teach me」と表現しないのは有名だが、「tell me」といった相手に行動を求めるよりも、私がしても良いかという意味で「Can I」が使われる。上記動画にもあるように、電話番号教えては「Can I have your number?」となる。
YouTubeは英会話を「楽」に学びたい人向けの場所
YouTubeはあくまでも英会話を楽に学びたい人向けのものであって、効率良く英語を学ぶ場所ではない。手っ取り早く英語をペラペラにしたいなら、英語をアウトプットする機会を増やした方が効率は良いだろう。
例えば、海外へ留学に行ったり、英会話を習う。Skype等で日本語に興味のある外国人と言語交換する。こういった日本人に不足しているアウトプットをした方が英語をペラペラにするのも早いはずだ。
ただ、仕事の後などは英語に費やす時間も苦にならない、出来れば楽しいものにしたいと考えている人も多いかと思う。こういった楽しみながら苦にならない範囲で英語に触れたい人が、英会話で必要なフレーズをインプットするために使うプラットフォームとしてYouTubeは悪くない。
YouTubeにおける英語学習効果の高め方
YouTubeをインプットに使う場合でも、ある程度は英語学習の効率を高める事は出来る。
例えば、インプットした後はその時の感想を残した方が記憶に残りやすい。特に動画はシチュエーションと一緒に記憶に関連付ける事が出来るので、強く心に残るはずだ。
従って、新しく知った知識、単語は動画のコメントに残して置くと良いだろう。
例) ◯◯は△△という意味だったのか。
例) ◯◯って表現、△△とかのシチュエーションで使えそう
もちろん、疑問を残しておいても良い。そのコメントを見た第三者が親切に回答してくれるかもしれない。
多少の時間を確保する必要はあるが、動画を見ながら気になった(知らなかった)表現、単語をピックアップして定期的に見直す機会を設けても良いだろう。
ただし、英語初心者の場合、YouTubeで使われる英語は知らない表現や単語ばかりかと思う。日常会話を理解できるぐらい英語が出来なければ、動画を流し見するだけで知識として身につけるのは難しいと考えた方が良い。
記憶は過去の知識とリンクさせた方が覚えやすいので、リンクさせる事が出来るほど知識のない分野ではまず基礎知識を頭に詰める必要がある。
この辺の学習ノウハウも下記リンク先の記事で述べているので、英語だけでなく言語を勉強している人は参考に。
おすすめの英語YouTubeチャンネルと動画
ここでは英語が使われる個人的に面白いと思うYouTubeチャンネルを紹介する。英語の勉強になるというよりも、エンターテイメント性を重視したものである。
初心者は英語に「慣れる」ことも大事なので、まずは苦にならない程度日常で触れるようにするのが良いだろう。
おすすめの英語YouTubeチャンネル
Natalia Natchan
上でも紹介したが、学生時代に日本のギャルファッションやアイドルにハマり、現在は日本の専門学校に通うナタリア・ナッチャン氏。国籍はアメリカだが、アメリカとコロンビアのハーフとの事。
上ではシチュエーションを経験するのにためになる動画を紹介したが、普段は日本での生活を日本語で紹介している。英語の勉強になる動画は少ないが、キャラも可愛いし、純粋に面白いのでおすすめのチャンネル。
「日本人とアメリカ人の違い☆日本人の男性とアメリ人の男性」日本人男性とアメリカ人男性の特徴を上手く捉えていて面白かった。
また、話す言語によって性格が変わるのもバイリンガルなら経験があると思う。
Asian Boss
街角で日本と韓国の流行や社会問題を中心にインタビューする動画が多い。
日本で流行った「壁ドン」について欧米人がどう思うかをインタビューした動画
最近は韓国、日本で韓国人、日本人にそれぞれの言葉でインタビューする動画が多い。字幕でしか英語に触れる機会が無いかもしれないが、扱うトピックが個人的に面白いと思う。
Rachel & Jun
日本に住む日本人男性とアメリカ人女性の夫婦で運営されているYouTubeチャンネル。外国人向けに、海外と日本の違いや日本旅行での注意点などを紹介するしてくれる動画が多い。
日本人男性のJun氏が日本人のステレオタイプからは離れていて、とても良い人。日本人男性のイメージを良い方向へ変えてくれそう。
誕生日のサプライズ動画
バイリンガール英会話 | Bilingirl Chika
帰国子女バイリンガールのチカ氏の人気YouTubeチャンネル。英語学習チャンネルとしては比較的多くの人に知られているだろう。英語学習の要素が強く、よりポジティブに英語の勉強をしたい人におすすめ。
マックでの注文の仕方を覚えておけば、色々とオーダー出来ると思う。
Abroadin Japan
動画のテンポも良くリズミカル。外国人向けに日本を紹介するチャンネルだが、日本人が見ても面白いと思う。
目標達成のために勉強が必要でも「楽」をしたいと思うのが人間だろう。その場合、いかにして効率よく行うか、いかに苦ではなく行うかがポイントになる。
YouTubeの動画は一見すれば勉強にならないようなものばかりだが、使い方をきちんと考えれば、楽しみながら楽に英語表現だったりを身に付ける事が出来るはずだ。
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